「転職回数の多いひとは使えない」と、切り捨てられてしまう裏事情6つ。
「転職回数が多い人は使えない人」という概念を無くすことが、今の社会では非常に大事 - ゆうじむらた的日記
おっしゃる通りだし、そう感じている人も一定数いそうなのですが、残念なことに、世の中、なかなかそうした方向に進んでくれません。
僕も日々、求人に携わっているなかで、担当した求人にたくさん応募がきて、「うまくいきそうだ。あーよかった」と思っていたら、後日、「ほぼ全員がレジュメで落とされました。面接した数人も社長NGで…。」なーんて報告を受けたこと、1度や2度ではありません。
転職回数が多い、というフレーズが不採用の理由に上ることも、最後の迷ったときの判断などでよく耳にします。
さて、ではなぜこんな結果になってしまうのでしょうか。
すべては転職者の責任なのでしょうか。
実は、転職者だけが一方的に悪いのではないかもしれません。
そこで、僕がいままで見聞きしてきた、不採用の例をいくつか挙げてみようと思います。
- Case.1 採用担当がおバカ
- Case.2 社長が暴君
- Case.3 選民思想丸出しの採用担当
- Case.4 採用担当が忙しすぎる
- Case.5 採用失敗したときの、社内でのリスクが大きい
- Case.6 担当者が優秀な人をあえて落としていた
- 転職回数が多い人は、誤解されないように気をつけよう
Case.1 採用担当がおバカ
おバカというか、若造に任せ過ぎて失敗しているケースですね。ある人の職歴を読み解く作業って、それなりの知識量や社会人経験が必要です。職歴に並ぶ社名を検索して、会社規模や業種、業界内でのポジションを分析。その人のレジュメの記述内容と照らし合わせながら、実力を推し量るわけです。それはもう、難しい作業です。職歴を読み解けないと、結果、転職回数が多い人を採用するのにビビッてしまいます。
Case.2 社長が暴君
ワンマン経営者が暴走するケースです。担当者レベルを通過しても、最後に鶴の一声でアウトになるパターン。石の上にも三年といった古風な考えの経営者も多く、転職回数が多い人のことを、根性がないと切り捨てます。その徒労感に辟易して、自ら率先して転職回数が多い人を間引きはじめる、あきらめムードの採用担当もわりといます。社長がOKしそうな人を合格させとけばいいやー、僕しーらない。そんな担当者、けっこう多いです。
Case.3 選民思想丸出しの採用担当
Case.1と真逆です。お利口さんな採用担当者であるがゆえに、採用がうまくいかないケースもあります。応募者はどいつもこいつもクズだね。といった発想をお持ちの方、たまにお見かけします。偏差値低めの会社に、わりと賢い採用担当が外部から入ったようなケースでよくあるような…。あと、叩き上げでのし上がった優秀な上長の方が、御自ら採用を手掛けるようなときも…。つまり、転職回数の多い転職弱者のことなんか、知らん!のです。知る気もないのでしょう。他にもっとまともなヤツおるやろ、という発想です。
Case.4 採用担当が忙しすぎる
実につまらん理由ですが、これは非常に多いです。採用担当あるあるです。というか、募集の背景がそもそも人手不足だったりすることが多いので、手間をかけて選考できまへん、と、そういうことなんです。当然、レジュメをじっくり吟味する時間はありません。機械的に、転職回数の多い、怪しげな応募者は切られることとなります。これは本当にもったいないパターンですね。採用担当者にも、会社にも悪気はありません。僕としても一番悔しいケースです。
Case.5 採用失敗したときの、社内でのリスクが大きい
たとえ採用した人がすぐに辞めてしまっても、「この人で失敗したのならしょうがないよね」と言ってもらえるような、安牌な人材を採用したがるケース。職歴が汚れている人を採用して失敗すると「それ見たことか」と非難されるので、危ない橋は渡りたくないのです。サラリーマンの鏡のような担当者です。この手の方は、会社の規模に関わらず、一定数、見受けられます。
Case.6 担当者が優秀な人をあえて落としていた
恐ろしすぎて、もはやホラーです。小規模な会社で、社長が採用をスタッフに丸投げしているような会社では起こりがちな事例。自分より優秀な人がくると自分の評価が相対的に下がってしまったり、最悪の場合、自分の居場所がなくなってしまうといった保身から、応募を黙殺しているケースがあります。これの亜種で、新人をいじめて辞めさせるパターンもありますね。怖すぎます。あなたの会社のお局さんは大丈夫ですか?採用、任せきりにしていませんか??
転職回数が多い人は、誤解されないように気をつけよう
以上。思いついたものをパーッと書き出してみました。
一つ言えるのは、転職回数が多い自覚があるなら、自ら積極的にその理由を伝えることが大切だということです。
採用担当者が、「このひと転職回数多すぎない?」と上長に突っ込まれたときに、すかさず切り返せる武器を応募者の側が提供してあげることが、最低限、必要な処置なのかなと思っています。
これは裏を返せば、正当な理由なく身勝手な理由で転職を繰り返した人には、とてもとても逆風な世の中だということですね。