イース9(イースIX -Monstrum NOX)ネタバレ感想|最高に面白かったけど、シナリオには一言いいたい
イース9クリアしました。
マップや宝箱など収集系を100%にしながらのんびりプレイして45時間くらいかかりました。
セルセタとイース8の間くらいのボリュームだったと思います。
僕は前作のイース8から始めて、そのあと前々作のセルセタをプレイして、いまイース9を発売日に買ってプレイしていた、とそんな流れで遊んでいます。
順調に囲い込まれつつある、準ファン層という感じでしょうか。
基本、大満足なのですが、もちろん気になった点がないわけではないので、ポジティブ・ネガティブ両方の観点から感想を書いていければと思います。
イースお約束の展開からの、意外な新展開
今回は開始早々に、アドルが監獄に放り込まれてしまうという急展開。
いきなり何らかのトラブルに巻き込まれる感じが、プレイ3作目ともなると、おっ今回も来たね始まるねと、予定調和でもあり期待感もあり、という心持ちだったのですが、良い意味で期待を裏切られました。
まさかアドルがいきなり怪人にされるとは…。
トレードマークの赤毛が黒髪になるのも新鮮でしたね。
最初の街からほぼ出れずに物語が終わるのも斬新。
設定の作り方が毎度、巧妙です。
先が気になる、魅力的なストーリーは健在
序盤は、いきなり監獄送りにされ、怪人化され、アジトを作って…とせわしない展開が続き、あっという間にイース9の世界に引き込まれます。
中盤は、仲間になる怪人の正体が順々に明かされていき、その正体の明かし方に工夫があって楽しませてもらえます。
ミスリードを誘発させる仕立てになっているんですね。
たとえば、怪人の鷹の正体は、最初はシャトラール団長ではないかと疑いを持つ人は多いはずです。背教者の正体がマリウスだと思った人もいるかも。
あとアプリリスの正体はキリシャのお姉さんであるカーラなのではないかと、最初は思っていました。これはちょっとやりすぎというか、誤解させるためにわざと寄せてる感もあったかも。白猫と猛牛は分かりやすかったですね。
プレイアブルなキャラ(怪人)の加入自体も楽しみであるのに加えて、怪人の正体は誰なのかを頭の片隅で考えながら物語を読み解いていくのは、いつもながら止め時を見失わされました。
終盤の盛り上がりはいわずもがな。
グリムワルドの夜や怪人についての真相が種明かしされます。
もともとがファンタジーなので辻褄合わせはそんなに重要じゃないのですが、物語の筋が1本しっかり通っているので納得感がありました。
なにより、物語をけん引していた、”アドルが2人?”の演出。
最初に”もう一人のアドル”視点に切り替わったときは面食らいました。
えっ?どういうこと?と。
もしかして、他の怪人も同じことになっているのではないか?と、色々考えさせられる展開。何が起こっているのか分からず謎は深まるばかりで、一気に先が気になり始めました。
たしかプレイ時間が急速に増えたのも、この辺りからだったように思います。
ラスボスの薄さ、背景の語り不足
ここからはちょっと気になった点を。
イース好きなので、不満点を長々書いちゃいますが、基本は面白かったけど、「けど」あえて書いていると受け取っていただければ。
とても理想の高い話をします。
不満だったのは、ラスボス戦周りがあまり燃えないこと。
これが唯一にして最大の不満です。
イース8は、戦う相手がとても思い入れのあるキャラクターだったし、取り巻き連中とも過程で会話がきちんとあって、多少なりともキャラ立ちしてたので、一戦ごとに重みがあったのですが、本作はそれが皆無に近かったです。
錬金術師のゾラとは戦いもせず、ポッと出のアドルのコピーと戦ってそれがラスボスというのは、あまりに手ごたえがなさすぎました。
グリア王国の背景説明や街中の落書きを通じて感じろ!ってことなのかもしれませんが、過去の歴史上のことすぎて、当事者意識があまり持てないんですよね。
アプリリスと他の怪人たちとの関係が見えにくいと言いますか、設定上、今世代の怪人たちとのつながりが薄くなってしまっているせいもあるのでしょう。
ラスボス戦は、これまでの物語から受け取った思いをかみしめながら、こみ上げるものを感じなら戦う特別感があるはずで、それこそがRPGの醍醐味なのですが、今回は本当にそれがなかった。
同じシリーズだから比較しちゃっても良いと思って書きますが、イース8が良かったのは、ダーナ視点でのプレイ時間がしっかりあって、そこでの出来事とか取り巻く登場人物の心情が描かれていたことにあったのだと改めて感じます。
プレイヤーも一緒に過去を体験しているからこそ、時間軸が現在に戻った時に、時の流れの重みを、きちんと重みとして認識できるのだろうな、と。
今作で言えば、アプリリスがダーナ的な役割を帯びていたはずなのですが、彼女の影が致命的なまでに薄かったです。
ダーナとプレイヤーの距離は近かったけど、アプリリスとプレイヤーの距離はとても遠かった。アプリリスが、第三者的な立ち位置であり、パーティメンバーとして加入しなかったことも原因だと思います。
同じ仕組みでやるとイース8の焼き直しになってしまいかねないので難しいと思いますが、聖女ロスヴィータ時代の世界もプレイできて、それが現在のアプリリスにきちんとつながるような見せ方になっていると、プレイヤーの胸の内にも、万感の想いが醸成されたのではないでしょうか。
ボス撃破後に、グリムワルドの原因となる卵を破壊する際の演出で、ダーナらしき存在に「アドルさん」と呼びかけられて、そこで初めてウルっときちゃいそうになったのですが、これは裏を返せば、前作の存在感があまりに大きすぎて、本作が過去作を超えられなかったことを物語っているようにも思えます。あくまで個人の感想ですが。
最後にタラレバの話をすると、怪人たちそれぞれの500年前の過去の回想などを、要所で挟みながら、360°視点で、聖女ロスヴィータと500年前の戦争について描くことができれば、より深みのある物語展開になり、ラストの盛り上がりも高まったんじゃないかなぁ、と無責任なことを思ったりもします。
総評
ことシナリオの面では、前作のイース8のインパクトがあまりに強すぎました。
セルセタもプレイした感覚を鑑みると、イースの平常運転のクオリティ&ボリュームはこのくらいなのだろうと推察。
だとしたら、それはそれで良作安定で喜ばしいのですが、プレイヤーとしては、もっともっと…、と欲張ってしまいます(笑)
ただ、圧倒的にイース9が勝っていると感じたポイントもあります。
それは仲間たち(怪人ふくめダンデリオンの面々)の描写です。
これは完全にイース9に軍配。
イース8はダーナにシナリオパワーを一挙集中させていたせいか、他のキャラがほぼ空気になっていましたが、本作は非戦闘キャラも含めてダンデリオンにつどうメンバー全員に愛着がもてました。
キャラクターごとに背景があって、それぞれがシナリオと密接に関わっていることが要因だと思います。
さらに今回は、アクションパートでも、怪人全員をまんべんなく使いました。全員に思い入れがあったので、誰を使っても楽しかったのが影響大きいです。
なんなら一番使ってないキャラはアドルかもしれない。
白猫のヘブンズランや鷹のハンターグライダーなど、アクションとしての気持ちよさも、過去作より洗練されていました。広々としたマップをグライダーで滑空するのは最高に気持ち良かったです。キャラを動かすことの楽しさを存分に味わえました。
苦言も書きましたが、イース10が出たら確実にプレイすると思います。
今回も最高に幸せな45時間をありがとうございました。
⇒関連記事:「イース8」感想|シリーズものだからと敬遠するのはもったいない名作
<余談 好きなスキル・使用キャラ>
背教者のダスクドロップというスキルがめっちゃ好きでした。
最初はクソスキルだと思って使ってなかったのですが、大きめのモンスターに接近して連打するとえげつない破壊力になることに気づいてからは、お気に入りになりました。
フラッシュガードなどと合わせて使うと、大型のボスも一息で沈められて爽快です。
直感的に白猫が最強っぽいと思いつつも、他のキャラに浮気しまくり、でも最終的にはやっぱり白猫に落ち着きました。途中、一撃の威力が欲しい時期があって、猛牛を多用していたときもありました。
白猫については、とにかくケルべリアンバーストが有能すぎて他のスキルがいらないレベル。ラスボスの最終形態に移行するまでの間、回復材一切いらないくらいの瞬殺っぷりを発揮してくれました。
鷹のデッドリーラッシュも強いんだけど、動きが大きいぶん連打時に的を絞りにくいのが玉にキズでしたね。
<余談2 ロード時間長すぎ問題>
イース9の感想を見ると、ロード時間が長すぎるという書き込みを見かけました。
これ、外付けのSSDを使うと多少緩和されると思います。
ちなみに僕が使っているのはこちらです↓
オープンワールド系など、ロード時間の長いゲームをプレイする方はぜひ。
既にインストール済のゲームも移し替え可能です。
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