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成長企業が陥る、新卒採用の落とし穴。

とある新卒採用の話。

これまで二流大学の学生しか応募してこなかったような中小企業に、ある年から一流大学の学生もエントリーしてくるようになった。

企業の担当者は当然、喜ぶ。我が社の知名度が上がってきた証拠だと、社長も大喜びである。実際、某社は順調に業績を上げており、知名度が高まってきていることも事実だった。

とはいえ最初は、内定を出しても、うちみたいな企業に入社してくれるのだろうか、内定辞退されてしまうのではないかという不安はあった。

しかし、せっかく巡ってきた好機である。一定数の内定辞退は覚悟して、例年よりも少し多めに内定を出すことにした。

結論から言えば、採用は大成功だった。やはり数名の辞退者は出てしまったが、予定通りの採用人数を確保することができた。彼らは本当に入社してくれたのだ。

さて、ここまでは良かった。

問題はここから。

無事に新人研修を終え、半年が過ぎ、1年が過ぎ。そして徐々に、現場で働く先輩たちが新人たちに対して疑問を感じはじめる。

これまで採用してきた二流大学の人材の方が、成長スピードが速いんじゃないか。この年次ならもっと成果を上げていたのではないか、と。

今年の新人にはハングリー精神がないのではないか。例年なら、もっと仕事にのめり込んで、結果を出そうと貪欲に知識の吸収に励んでいたのではなかったか。そういえば、出社時間も、新人にしては随分遅めの時間帯であるような気がする…。

まぁそうは言っても、彼らは優秀だ。仕事は卒なくこなす。だが、二流大学出身の、他の同期たちのほうが明らかに順調に伸びているように見える。仕事への情熱も感じられる。これは一体、どうしたことか。

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上記の話は完全な創作だけど、遠巻きに新卒の採用現場を眺めていると、こうした問題が起こっているのではないか(あくまで僕の所見ですが)と感じるシーンがたまにある。

なぜこんな事になってしまうのか。
僕が思うに、二流大学の人たちにとって某社に入ることは大成功であるけれど、一流大学の人たちにとっては不満の残る就活の結果だから、そこの気持ちの切り替えが上手くできていないのではないか、ということ。そう考えると、少なからずモチベーションに差が出てしまうのは、致し方ないとも思える。

そして、もっと問題なのは、ひょっとしたら二流大学の人の方が、スペック的にも優れているのではないか、という点。

J2の優勝チームとJ1の最下位のチームが試合したら、結果はどうなりますかという問題と同じだ。
もちろんJ1が勝つかもしれないけど、実力は伯仲している。実際、サッカーではチームの入れ替えを行うシステムで運用されており、J2からJ1に上がってきたチームが、成果を上げていたりもする。

勉強でも、私立の進学校で落ちこぼれたやつと、公立で一番の生徒なら、けっこうな確率で公立の子の方が優秀でしょう。

果たして、「中の上」と「上の下」はどちらが優れているのだろうか。
新卒の採用が学歴一辺倒でなくなってきている背景には、コミュニケーション力だけでなく、こうした問題も含まれているのかもしれない。

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