凡人が1年間、英語を勉強した成果。
他の方の英語学習エントリーが凄すぎて、比べるととってもショボイのですが、取り組みを整理する意味でも、ちょっと書いてみたいと思います。
1.自身の英語レベルについて
社会人になってからは、まったく英語に関わる機会はなし。現役の頃、一番良かったときでセンター試験的なやつが160~170点くらいでした。が、そこから10年くらい経っているので、そうとうレベルダウンしてることは間違いないと思います。
ただ、やってるうちに文法はそこそこ思い出せました。どちらかと言うと、単語の記憶が吹き飛んでたのがヤバかったです。
2.まず、本を読んでみた
まず本を読みました。最初に選んだのはコレ。
Rich Dad Poor Dad
何かのサイトで読みやすいとあったので選びました(僕が選んだのはキンドル版)。一部、難解な文法もあったけれど、キンドル版だと、単語をサクッと引けるので挫折せずに最後まで読めました。
一冊目で手ごたえを感じたので、次は普段、日本語の本でやっているように、普通に気になるタイトルの本を選んで読むということをやってみました。
Getting Things Done: The Art of Stress-Free
Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity
- 作者: David Allen,James Fallows
- 出版社/メーカー: Penguin Books
- 発売日: 2015/03/17
- メディア: ペーパーバック
ただ、これは1割くらい読んだところで挫折しました。単語を引いても、文法が理解できない部分が高頻度で出てきてあえなく断念しました。まぁネイティブのビジネスマンが読むような本なので、そりゃそうだよなと。調子にのって難しい本を選んでしまったようです。
次は反省点を踏まえて、もっと簡単な本を読むことにしました、ラダーシリーズという、巻末に単語リストがついている英語学習用の本です。文法も平易な形にリライトされているようです。内容も何となく知っているものが読みやすいだろうと思って、選んだのは、
Gorsch the Cellist セロ弾きのゴーシュ
The Night of the Milky Way Train 銀河鉄道の夜
銀河鉄道の夜 The Night of the Milky Way Train (ラダーシリーズ Level 2)
- 作者: 宮沢賢治,ステュウット・ヴァーナム−アットキン,とよざきようこ
- 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
- 発売日: 2005/07/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
これは大正解でした。途中、分かりづらい文法がありながらも、最後まで読むことができました。内容もまぁまぁ理解できたと思います。元々、内容を知っているということは大きかったです。
次は、少しハードルを上げて、同じラダーシリーズの中から、話の内容をよく知らないものを選ぶことにしました。
Best Short Stories of O. Henry
ベスト・オブ・オー・ヘンリー Best Short Stories of O. Henry (ラダーシリーズ Level 2)
- 作者: オー・ヘンリー
- 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
- 発売日: 2005/07/01
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 1回
これです。
内容を知らないので、文法が不確かな部分を読み取ることができず苦労しましたが、初見なので、純粋に物語を楽しむことができた満足感もありました。これも正解だったように思います。
ところで、これまでは通勤時間を利用して勉強していたのですが、個人的な事情で通勤時間に安定して時間を使いづらくなったので、勉強方法を変えることにしました。
一応、時間のあるときは、英単語を覚える時間に使っていましたが、月に2~3回しか時間がとれなかったので、正直効果薄という印象(毎日の英単語という本を読んでいました)。
ちなみに、ここまで、本だけで半年くらいかかりました。
英語の本を読むのは相当大変で、特に最初の1冊はまっとうなビジネス書だったこともあり、2ヶ月くらいかかった記憶があります。
ただ、挫折した本を除けば、回を追うごとに時間当たりに読める量は増えてきたように思います。他にもスティーブジョブズの名言集とか、日常会話のフレーズ50的な本を読んだりもしました。
3.英語でアニメを見てみた
さて、今度は自宅で楽しくできることはないかと考えた結果、ジブリアニメを英語音声や英語字幕で見ることにしました。
魔女の宅急便とかラピュタとか、まぁお馴染みのやつです。
日本でも買えるみたいですが、僕はイギリスのAmazonで何本かまとめて買いました(当時はそっちの方が安かったです)。
イギリスのDVDは日本とリージョンコードが同じらしく、特別なことをしなくても普通に再生できるので便利です。
海外での買い物は、こんな感じのサイトを参考にしました。
海外のサイトで買い物すること自体がある種リアルな勉強ですし、住所の入力の仕方の違いなど、何となくの予備知識はありましたが、初めて実践することが多くてためになりました。
海外なので、届くまでに2週間くらいかかりました。DVDが届いたら、とりあえず字幕を出しながら日本語で見て、何となく内容を思い出したところで英語字幕+英語音声で見ることに。
一発目は、字幕を追うのに精一杯で、けっこうしんどいなという印象でした。ただ、繰り返し見ることが大事だという主張を、英語学習系のエントリーでよく見かけていたので、それに習って辛抱強く見ました。
5~6回くらい見ると、一文が長い部分や、発音が聞き取りにくい部分を除いて、ざっくりと聞き取れるようになってきました。これが相当うれしくて、寝る前に30分~60分くらい見るというのを1ヶ月くらい続けた気がします(その頃、仕事が忙しくて時間がなかなかとれなかったので、やっていたのはこれくらいです)。
ただ、あまりに同じものばかりで飽きてきたのと、何となく壁のようなものを感じはじめたので、気分転換も含めてDVDを追加発注。
もののけ姫、耳をすませば、猫の恩返し、千と千尋、ポニョ、アリエッティ、コクリコ坂などなど。あと、ついでに攻殻機動隊やFate/stay nightといった、すこしディープな作品も買ってみました。
英語のスクリプトを公開しているサイトがあったので、ジブリ以外のアニメは、ここでスクリプトが公開されている中から選びました。
Anime Transcripts@アニメで英語 - home
アニメで英語を勉強するなら「らき☆すた」 が聞きやすいという記事も見かけたのですが、DVDが非常に高かったのでやめました。
というのもあるし、結局、自分が好きな作品の方が楽しく見られそうな気がしたので、難易度は無視することにしました(特に攻殻機動隊は難しかったのですが、スクリプトがあるおかげで見れました。なかったら無理だったと思います)。
最終的に、何度も繰り返し見たのは「魔女の宅急便」と「耳をすませば」、あと「猫の恩返し」です。
この3本を選んだのは、DVDに付いている字幕と音声がわりと一致している気がしたのと、単純に内容が好きだったことが理由です(英語の字幕と音声は違うことが多いです。
作品により乖離幅に差があります。どうやらジブリ作品の中には、聴覚障害のある方向けに、音声に忠実な字幕が付いているものがあるようでした)。
あと、日常のシチュエーションが中心の作品だったことも選んだ理由の一つです。汎用性の高いフレーズを学びたかったので。
ちなみに、ポニョは一度も見たことがなかったので、初見で英語字幕+英語音声で見るという冒険をしてみたところ、そこそこ内容を理解でき楽しむことができました。
もちろん日本語で見た場合の理解度からすれば、5割程度の感覚ですが、アニメーションと合わせて、状況をある程度理解でき、会話内容も(文法や和訳として正しいかはさておき)どんなような話をしているかは、まぁまぁ理解できた感じがしました。
少なくとも挫折せず、最後まで見れる程度には理解できていました。
この時点で、繰り返し視聴によって、多少なりとも耳が英語に慣れたな、という実感を得ることができました。上手く言えないのですが、英語の音声を聞くときに、構えずに入っていけるようになった気がします。英語に対する苦手意識が和らいだのだと思います。
4.英語でアメリカのTVドラマを見てみた
そこそこ自信がついてきたので、テレビドラマに手を出してみました。方々で推奨されているフレンズです。
フレンズ 〈シーズン1-10〉コンプリート ブルーレイ BOX[初回限定生産] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2012/11/14
- メディア: Blu-ray
ただ、これはある意味失敗でした。
いやまぁ、成功なのですが、普通に面白すぎて日本語で全シリーズ一気見してしまったんです(笑)。とはいえ、英語字幕を読みながら見ていたので、英文の理解スピードUPには若干の貢献はあったかもしれません。
ただ、これだけだと学習にならないので、第一話~第三話あたりを徹底的にリピート視聴しました。英語字幕+英語音声や日本語字幕+英語音声で何十回も観ました。これも、長文や複雑な言い回し以外は、かなりの部分を聞き取れるようになった実感があります。
これまでのアニメと違い、スラングやアメリカンジョーク的な言い回し、アメリカの文化的背景が分からないと理解できない言葉などが頻出したので、普通に訳しても意味がわからない会話が多くでてきて困りました。
困った挙句、アニメのときのようなスクリプトがないか探していたら、こんなサイトを発見。
米TV番組「FRIENDS」で英語を学ぼう! (Let's learn English from the American TV show "Friends"!)
一つひとつ難解な言い回しについて解説してくれていたので、理解の助けになりました。
そんなこんなで学習を続け、最後のほうは、寝ながら音声だけ聞いてもまぁまぁ聞き取れるくらいになりました。ただ、何度も聞きすぎたせいで内容を暗記してしまっている影響もあるので、純粋なヒアリング力ではないと思います。
あと、この流れでアリーマイラブも観ました。
アリー my Love シーズン1 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2010/05/28
- メディア: DVD
ここからは、英語音声+日本語・英語のダブル字幕を使用。
DAプレイヤーという、フリーのツールを使いました。
DAPlayerの詳細情報 : Vector ソフトを探す!
ただ、フリーソフトだからなのか、自分のPCの調子との相性が悪いのか、突然落ちることがしばしばありました (というわけで、いまは二重字幕の使えるこちらのソフトを購入して使用しています)。
PowerDVD
これで英語と日本語の字幕を同時に出すことができます。
スクリプトと動画の画面を交互に見るのは大変なので、ひとつの画面に字幕が出ると非常に楽でした。アリーは難易度が高めとのことでしたが、二重字幕が使えたことに加えて、もともと内容を知っていたので随分楽に見られました。
けっこう同じフレーズが繰り返し登場するので、日常会話の雰囲気を覚えるのに一役買った感があります。ただ、早口のセリフが多くて、これまでのものと比べると、全然聞き取れないなぁという感じでした。
5.英語で洋画を見てみた
で、ここらで一本しっかり通しで見れる作品を探そうと思って検索していたら、便利そうなものを見つけました。
プラダを着た悪魔(名作映画完全音声セリフ集スクリーンプレイ・シリーズ)
プラダを着た悪魔 (名作映画完全音声セリフ集スクリーンプレイ・シリーズ)
- 作者: 亀山太一,柴田純子,久米和代,和田徹
- 出版社/メーカー: フォーインスクリーンプレイ事業部
- 発売日: 2011/12/01
- メディア: 単行本
映画のト書きとセリフが収録された本です。左ページに英文、右ページに日本語訳と用語解説のついた本で、DVDと併用しても便利ですし、外出先でも復習することができます。
現在は、DVDと併用しながら、この一本を深く聞き込んでみようと思っています。もともと好きな作品だったので、今のところは楽しみながら視聴できています。前半の20分くらいは、そこそこ聞き取れるようになってきました。
この1年で得た学習の成果
まず、字幕理解速度が向上しました。日本語音声で視聴していても、常に英文を意識しながら見ていたので、瞬時に意味を取る訓練にはなったと思います。文章を読む速度も最初の頃とくらべれば倍以上の速度になりました。
また、一定のお決まりのフレーズについては、いちいち頭の中で訳さなくても、ニュアンスがスッと頭に入ってくるようにもなりました。
そして、ヒアリング力が向上しました。
最初は単語が若干聞き取れる程度でしたが、初見の会話でも意味を理解できることが出てきました。電車の中で、外国人が話しているのを盗み聞きして、乗り換えについて話していることを理解できるなど、通りすがりに耳に飛び込んできた英語が雑音ではなく、きちんと言葉として耳に入ってくることに驚いています。
この間、英会話のテレビ番組がかかっていて、完全な初見でしたが、字幕抜きで小芝居の内容が何となく理解できたときに、かなり聞き取れるようになったことを実感できました。
あと不思議な効果として、英語・外国人アレルギーの緩和、がありました。学習をはじめた頃は、英語を見聞きすることに多大なストレス(というか頑張り)を必要としていたのですが、いまはリラックスして学習することができています。
もしかすると、完璧にできないことに対して、ストレスを感じなくなったのかもしれません(学習を楽しく続けるためには、必要な感覚だと思います)。
そして、外国人アレルギーが治りました。あまり洋画を見ない人間だったので、最初の頃は俳優さんの顔を認識しづらかった(顔を全然覚えられなかった)くらい、ひどいアレルギーっぷりでしたが、いまでは同じ役者が別のドラマに出てきたら気付けるくらいに成長?できました。
外国人女性を可愛いと思えるようになったのも進歩かもしれません(笑)。ふつうに同じ「人」として見られる回路を、頭の中に作ることができたのだと思います。
今後の課題
当然ですが、まったく話せません。スピーキングは練習していないので当然ですが、今後の学習深度によっては考える必要もでてきそうです。
あとやっぱり、実用レベルのヒアリングにはほど遠いです。聞き取れることもちらほら出てはきましたが、精度が低すぎて実用は無理です。ただ、以前はまったく聞き取れなかったことを考えると、少しずつではありますが、確実に力は付いてきている実感があります。
ただ、僕の学習方法は、あくまで趣味として楽しみながらやることに主眼をおいているので、やり方としては相当ヌルいです。しかしまぁ、現状、自分の仕事に英語がまったく必要ないので(むしろ、日本語のライターなので真逆かも)、多少なりとも成長が実感できているうちはこれで良いと思っています。
負荷をかけすぎて、やらなくなってしまうことが一番避けたいところなので、今後も方針としては「いかに楽しく続けるか」を目標にボチボチやっていきたいですね。
他の方のエントリーのように華々しい成果は上げられていませんが、趣味もかねてライトに勉強を始めてみたいと思った方の参考になれば幸いです。
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