ユニクロの役目は終わったのかもしれない。
マクドナルドの不調に続いて、ユニクロにも異変が?!という記事を読みました。
マクドナルドの二の舞か? なぜだ! ユニクロが突然、売れなくなった 「飽きた」「高くなった」「もう欲しい物がない」…… | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]
元記事ではユニクロの成長の陰りの原因について「安さが評価されていたのに、値上げしたから」と言っているけれど、僕は違うと思います。
ユニクロは、いよいよ日本での役目を終えつつあるのではないか。
そんなふうに僕は感じています。
たとえば、セブンイレブンがドーナツを売り始めたら、最初はセブンでドーナツを買うけど、気づけば他のコンビニでも遜色のないドーナツが売られ始めるわけですよ。じゃあ、セブン以外でも買ってみようかな。お、意外とおいしいじゃないか、と。結果、セブンが持っていた圧倒的なドーナツシェアは、たとえトップを維持したとしても、ある程度はライバルに食われてしまいます。
思うに、ユニクロも同じ状態なんじゃないでしょうか。ヒートテックとかエアリズムがすごいって言うけど、気づけばセブンもイオンも似たような価格で着心地の良い下着を売り始めました。僕はグンゼの下着を買うことが多いけど、ベーシックな商品ならユニクロより安く買えることだってあります。ユニクロの下着一択だった時代は、コスパの面を考慮したとしても、もう通り過ぎているのだと思います。
ジーンズもそうです。値上げしたから売れないと言う人もいるけど、いまどき古着のマーケットを覗けば、ほぼほぼ新品のような状態の中級ブランド(ビームスとかその辺のクラス)の商品が2000円、3000円でバンバン売りにだされています。ダウンジャケットも、アウトレットにいけば似たような値段で、もっと品質の高いものが簡単に手に入ります。
ファッション業界は、いま全体的に苦戦しており、苦戦しているからこそ競争が激化し、安くて質の良いもので市場はあふれかえっています。
いまどき、心の底から「ヒートテックの性能は、他の下着とは違う!」と「実感」している人なんて、いるのでしょうか。正直、僕には違いがわかりません。ヒートテックだから温かいと思ったことは一度もありません。エアリズムもそう。どこの下着をつけようが、結局のところ、寒い時は寒いし、暑い時は暑い!
昔は、ヒートテックに類する商品が他になかったので、何も考えずヒートテックを買いましたが、今は似たような商品はいくらでもあります。しかも、それはパチものではなく、有名小売メーカーや下着ブランドの名を冠した、ちゃんとした製品で、です。
セブンイレブンが仕掛けたコンビニドーナツとは何だったのかと言うと、それは「コンビニでドーナツを買える」という機能を、コンビニに付け加えたことでした。でも、その機能はいとも容易く、競合他社に真似されてしまいました。コーヒーもそうですよね。最初はセブンだけだったのに、いまではほとんどのコンビニでコーヒーが買えるようになりました。
じゃあユニクロの機能とは何だったのかと言えば、それは「質の良いアパレルを安く提供する」ことだったと思います。昔はこれを実践できている商品は、ユニクロ意外に少なかったように思います。いまはどこにでもあります。ユニクロのおかげで市場全体がレベルアップし、結果的に、別にユニクロじゃなくても良くなってしまいました。
もう、ユニクロの役目は終わったんです。
ユニクロが掲げる「あらゆる人が良いカジュアルを着られるようにする」理想は、少なくとも日本という市場においては達成されました。いまや、ユニクロがなくても、僕たち庶民は質の良いアパレルをどこででも買うことができます。
ユニクロ、ありがとう。
そして、おつかれさまでした。
新興国への海外展開、がんばってください。