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ストレス耐性がある人を採用しても、うつ病のリスクは軽減できない。

ストレス耐性はうつ病予防にはならない

適性検査の定番といっても良い指標の一つ。

それがストレス耐性だ。

 

ストレス耐性は、営業職など高いプレッシャーにさらされる職種において、採用の可否を決定するための重要な判断基準の一つになるものだ。

日本が大変なストレス社会であることを考慮すれば、広く社会人としての適性を見るものだと捉えるむきも理解できる。

 

うつ病などのメンタルヘルス悪化や早期離職への対策はもちろんのこと、常時50名以上の従業員が働く職場でストレスチェックが義務化されたことの影響もあり、ストレス耐性への注目度はさらに高まっている。

そんな事情から、ストレス耐性を従業員の早期離職の防止やうつ病になるリスクを軽減するために重要視している企業も多い。

 

しかし、ただ単にストレス耐性の高い人を採用したからといって、早期離職やうつ病を予防できるわけではないことには注意が必要だ。

ストレス耐性が高くても、ストレスを感じないわけではないことに注意

ストレス耐性の高い者はストレスに強い。

厳しい環境にも理不尽な処遇にも耐えることができる。

 

しかしそれは、あくまで「耐える」だけで、ストレスは蓄積するものであることに注意しなくてはならない。

 

我慢しすぎて、かえって重度のうつ病になってしまうケースもある

怒りと似ているかもしれない。

じーっとため込む人の方が、暴力事件を起こしてしまうなど怒りが爆発したときに問題が大きくなりがちだ。ストレスもその状況に近い。

 

猛烈に働いていたのが、ある日突然、ベッドから立ち上がれなくなってしまったり、発作的に自殺してしまったり。これは耐え続けたが故に、一気に無理の反動が出てしまっている状態と言って良いだろう。

 

ストレス耐性のある人は「もしかしたら、うつ病かもしれない」と自覚し辛く、なかなか自主的に診察には行かない。周りの人に指摘されたり、相当に重症化してから自らの状態に気が付くのである。

 

企業は、ストレス耐性の高い人を採用すれば万事解決と考えるのではなく、ストレスそのものが極力発生しないような環境整備にも併せて取り組んでいくことが求められている。

 

ストレス耐性のない人はすぐ辞める。だがこれは正しい!

ストレスに弱い人は、その仕事が合わないと感じたらすぐ辞めてしまう。

採用担当者からすればいい迷惑だし、自らの評価にも影響するので勘弁願いたいところだろう。

 

しかし、合わないと感じたときに自らさっさと辞めてくれるのは、ある意味でありがたいことだと考えたほうが良い。

 

さきほど書いたように、我慢に我慢を重ねて健康状態に影響が出てからでは取り返しがつかない。

会社勤めは短距離走ではないのだ。ペースを守って一定の距離を元気に走ってもらわねばならない。

 

適性検査で真に見るべきは、ストレス耐性ではない

上記の通り、ストレス耐性の有無には一長一短があり、ストレス耐性がある者にも採用のリスクはつきまとう。

では、何をもって採用基準とすべきか。

 

ずばり、その人が「どういったことにストレスを感じるか」によって判断すれば良い。

 

接客業であれば、人と接することで元気になるタイプの人を採用すべきだ。

一人の時間がないとリフレッシュできない、というタイプの人にとっては、店に出ている時間すべてがストレス要因となる。仮に現在高い売上を上げていたとしても、それは長続きしない。

 

店舗運営の上手さや表面上のコミュニケーションの上手さと、接客業そのものに向いているかどうかは、また別問題。

ストレス耐性と表面上の能力や結果で判断していると、職種そのものに対する適性が見落とされがちになる。

 

やりたい事より、やりたくない事を考えて就活するのは効果的

就活のアドバイスで「やりたいことが見つからないのであれば、やりたくないことから考えてみては?」といった趣旨の話を見つけることが多い。

あれは実に効率的で正しい手法だ。

 

その仕事が「やりたい」とか「やりがいを感じる」とかいった感情は、ある程度、その業界や職種に身をおいてみないとピンとこないもの。あるいは世間を知らないが故の中途半端な憧れであることも多い。

しかし、自分が絶対にやりたくないことだけは、いますぐにでも分かるだろう。

 

「やりたくないこと=ストレス要因となるもの」である。

どんな仕事にも多かれ少なかれ嫌なことはあるだろうが、その量が極力少ないものを選ぶことでストレスなく仕事を続けることができる。

 

ストレスを感じないことは、結果的に仕事に対する前向きさを生む。

前向きに取り組めば、何事も上達は早い。いち早く活躍できれば、最初は興味がなかった仕事でも、いつか面白く感じる日がくるかもしれない。

 

まとめ

業務の性質上、どうしてもストレス過多になる仕事はある。

しかし、同じ環境下でも、よりストレスを感じる人とさほどストレスを感じない人とがおり、それはストレス耐性とは別問題で、個人の性格やタイプによるところが大きい。

 

人事の担当者の方には、適性検査を求職者や学生に受けさせるだけでなく、自社の社員にもぜひ受験させていただきたい。

自社ではどういったタイプの人材が活躍しているかを知ることで、真に採用すべき人材のタイプを知ることができる。

 

そうすればストレス耐性などという指標に惑わされることなく、適切な人材を選定することが可能になるはずだ。

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