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コミュ力採用が、思ったほどの成果をあげられない理由。

もはや常識となってしまったコミュ力を重視した採用。

 

どの企業に質問しても、コミュニケーション能力が大事。コミュ力がない人は採用しない。と言われるようになりました。

 

さて。では、コミュ力のある人"だけ"を採用した結果、新人たち全員が持ち前のコミュ力を発揮してバリバリ活躍しているかというと、実はそうじゃないと思います。

 

いざ仕事がスタートすると、コミュ力のある人の中にも色んなタイプの人がいて、活躍できる人と活躍できない人に分かれていってしまうのは、なぜでしょう。

 

コミュ力のある人材は大きく、「サッカー型人材」と「野球型人材」にわけられる。

大多数のビジネスの現場で活躍しやすいのはサッカー型人材だと思います。世間でいう、いわゆるコミュ力のある人材は、おそらくこちらを指しています。

 

自分のポジションの中で動き回り、必要とあらば周囲のメンバーのフォローにも入る。絶えず変化するフィールドの状況に合わせて、流れの中でボールを奪い、体勢を崩されながらもゴールにねじ込んでいく。

 

より仕事っぽく言い換えるなら、目的達成のためにフットワーク軽く動きまわり、変化する状況に対して柔軟に対応する。といった感じでしょうか。

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対して野球型人材は受身の仕事スタイルです。バッターは順番に自分の打席が回ってくるし、ピッチャーも自分のタイミングで投球ができます。

 

一定の試合の流れの中で「いかに最大限のパフォーマンスを発揮するか」が問われるのが野球。サッカーで言うセットプレーのような状況が連続して続いていく試合運びになるので、チャンスを作る技術よりも、チャンスを活かす技術に長けたスポーツという感じがします。

 

どちらが優位ということはないのですが、ここ一番でホームランを打つ、という働き方はより職人的な動きに思えます。研究員とかエンジニアとか、専門職の人なら構いませんが、サラリーマンの大半を占める営業職には不向きな性質かもしれません。何といっても、まず仕事の始まりは「ビジネスチャンスをつくる」ことからスタートしますので。

 

おそらく、ここに書いたようなことは、現場レベルで「あいつはよく気がつく」とか「フットワークが軽い」とか、言葉を変えて言われていることなのだと思います。

 

たぶん、みんな薄々気がついています。でも、採用がうまくいかないのには、ちゃんとワケがあります。

 

そもそも面接という手法が、すでに野球型。

面接というバッターボックスに入り、面接官の投げる質問をいかに打ち返すか。面接は、完全に野球型のゲームルールに支配されています。

 

面接ではイキイキと受け答えしていた人材が、現場に入るとフリーズして質問すらできない状況に陥るのは、「どこからが自分の打席か」よく分からないからなのだと思います。出番をつくるのが上手じゃないのです。

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採用で、1対1の面接の他に、グループ面接を行う企業も多いです。ただ、あれも1グループ4~5人の少人数では、サッカー型・野球型を見分けるには不十分だと感じます。

 

いっそのこと1グループ10人くらいに増やして、まず発言数の少ない下位半分を切り捨てるくらいのことをすれば、チャンスをつくりだすのが得意な人、フットワーク重視の採用ができそうです。

 

サッカーの解説で、よくボールの支配率の話題が出ますよね。あれはまさに、チャンスさえつくれれば、試合中に何本でもシュートを撃てるサッカーならではの指標だなと思います。野球は打席が限られています。シュート1本と1打席の重みは全然違うんです。

 

的外れの発言がたくさんあっても、その中に有用な発言が1つでも2つでもあれば善しと考えるか、少ない発言数でも的を射た発言が多ければ善しとするのかは、採用後に任される職種の特性によって変わってくるのではないでしょうか。

 

どちらの人材も、最終的に差はなくなる。

色々書きましたが、仕事に慣れることで、どちらの人材も自分のスタイルで結果を出す方法を身につけることができると思います。

 

自分のリズムを身につければ、野球型人材も積極的に前に出れるし、サッカー型人材が足を止めて一本のシュートに注力することもできるように、きっとなります。

 

問題は、現状、即戦力が求められる現場があまりに多く、スタートから要領よく見えるサッカー型人材が重宝されて、野球型人材が使えないヤツの烙印をおされてしまうケースが多いんじゃないかということ。

 

それなりの規模の企業なら、我慢強く育ててどちらのタイプも大成できるのかもしれませんが、中小企業だと野球型人材は怒られ過ぎて離職したり、場合によっては鬱になってしまったり、そんな状況になってしまっているのではないでしょうか。

 

このすれ違いを人材育成の問題ととらえるか、採用のアンマッチの問題ととらえるかは微妙なところですが、個人的に、早期離職や鬱の問題に多少なりとも影響する視点なのではないかと思っています。

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ところで、この文書を書いていて野球とサッカー、そしてバスケットボールの違いについて少し考えました。

 

野球には二塁打やホームランなど攻撃結果に差があります。サッカーはどんな形でもシュート1本1点です。バスケにはスリーポイントシュートがあります。攻守がシームレスに入れ替わるのはサッカーとバスケ。野球は順番交代です。

 

ひょっとすると、サッカー型人材と野球型人材は社会人経験を積み重ねることで、最終的には両方の良いとこ取りをできる「バスケットボール型人材」に成長していくのかもしれませんね。

 

思えば、営業現場で好んで使われる精神論、「あきらめたらそこで試合終了」説も、元はスラムダンクのセリフですし。

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