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自責思考は、他人を見下した思考法でもある。

サイボウズ式:他責的なメンバーはチームの前進を阻害する | サイボウズ式

 

他責思考と自責思考。ビジネスシーンで頻出する話題です。

一般見解として、他責と自責では「自責のほうが優秀な考え方」とされているようです。

 

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本当にそうでしょうか。

 

何かトラブルがあったとき、他責・自責の考えに関わらず、トラブルの原因が最終的に誰にあるのかは、たいてい明白になるものです。

 

考え方が他責だろうが自責だろうが、事実、ミスした人がいればその人の責任です。そいつが悪いです。その事実は揺るぎないものです。

 

ミスした人に原因について理解してもらい、今後、改善してもらうしかありません。

 

このやり方は、他責思考なんでしょうか。

自責思考って内罰的すぎです

たとえば、よくミスをするA君がチームにいたとして、彼がミスしたら代わりに僕たちが反省して改善案を考えるということでしょうか。それが自責思考なんですかね。

 

元記事にはこうあります。

「自責的」と「他責的」という言葉をざっくり説明すると、物事が思うように運ばないときの原因を自分に求めるのが「自責」、他人に求めるのを「他責」と言います。

 さらに、続いて、

行き過ぎた「自責」は単なる思考停止であり非生産的ですが、他人とかかわってうまく物事が運ばないとき「他責」してしまうと、なかなか前に進むことができません。

なぜかというと、前述のとおり「他人は変えられない」からです。

......厳密に言えばめっちゃ頑張ってめっちゃ時間をかければちょっとくらいは変わるかもしれないんですけど、あんまり現実的ではないし、自分にも負荷がかかります。

ならまず自分から、自分のできる範囲で変えられる部分を変えてみて、それがワークするかどうかを試してみるほうが、よっぽど生産的だと思いませんか。

ということらしいです。

つまり、、、

・A君がミスするのは、僕の指示の出し方が悪いからかもしれない。

・みんなで適宜チェックするのを怠っていたからいけないんだ。

・仕事の合間にみんなで声掛けしていたら、ミスは起こらないかもしれない。

 

こんなふうに考えなさい、ということなんでしょうか。

 

ミスするA君のために、周囲のできている人たちが尽くすことが自責思考?A君が意識して変わることができれば、万事OKのことが、自責で考えるとこんなに大事になってしまいます。こんなのぜんぜん生産的じゃない!!

 

僕は、A君としっかりコミュニケーションして、ミスを減らせるように自覚して頑張ってもらうことの方がいくらか生産的だと思います。

 

だって、A君が変わらないまま、周りの人が自責で考えてフォローするだけだったら、A君はチームにいらない人間になってしまいます。

 

A君を解雇して、メンバーチェンジするところまで計算してるなら、そりゃ話は別ですけどね…。

 

自責思考の根底には、他者への見下しがある

もし、本当に、自責の考え方が、他人を容易に変えることはできない、という前提で組み立てられているとすれば、『自責思考とは、究極的に相手を見下す』思考術だと思います。

 

洋画とかでありそうなやり取りですが、遅刻の電話を入れてきた部下に対して、上司が「Oh!悪かった。君が今日遅刻するのは、私が大切な朝食の時間を削ってまで、君にモーニングコールしなかったせいだよ」とか何とか皮肉を言う感じと、この自責思考ってとても似ていると感じます。

 

なぜなら、自責の思考をする人の行動というのは、極論を言えば、

 

・あなたが出来ないのは、私の責任だったよ。
・あなたは変われないと思うから、私が代わりに変わることにしたよ。

 

ってことなんだから。

ようは、他人の能力や成長に期待をしてないんです。

ヒトをバカにした失礼な話です。

もちろん、現実世界では、表面上の言葉や態度はもっと上手にやるかもしれません。ただ、客観的に見たときに、その考え方の根底にあるのは、他者への期待が一切ない冷徹な思考です。

 

自責思考は、ある意味で自己中心的な思考法

自責の考え方。さも、チームビルディングに必要な考え方のように語られがちですが、本当のところは、単なる『自己成長を促す意識のあり方』なんじゃないかと思います。

 

ミスが起こったときに、まずは自分を疑うこと(これが自責の範疇に入るのかどうかは微妙なところですが…)

 

そして、他人のために自ら反省し、率先して汗をかくこと。そんなアホなと思うような貧乏くじですが、自己成長のためと考えればすごく納得感があります。他人を無理に変えようとするのではなく、自分の側が柔軟に変化してプロジェクトを前進させていく。いかにも仕事ができそうなスタイルです。

 

でもそれは裏を返せば、本当に頼れるチームメンバーやリーダーであるためには、自責思考一辺倒ではいけないのかもしれません。

 

ときに、とことん他責になり、ミスの原因となったメンバーが二度と同じ失敗をしないように、毅然とした態度で改善を促していくことも、組織の成長には欠かせないからです。

 

たしかに、自責思考はプロフェッショナル個人が持つべき意識としては正しいかもしれません。ただ一方で、できない人を置き去りにする側面も持ち合わせているため、組織の中で運用するには、ややドラスティックな手法でもあると思います。

 

なにがなんでも、自責思考無双じゃないんです。

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