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暇だから、コーヒー片手に相棒の最終話(Season13 「ダークナイト」)を観てみた。やっぱり相棒は面白い。

※いちおう断っておきますが、軽いネタバレが含まれます。

 

休みを利用して、ようやく観れました。

相棒のシーズン13、最終話「ダークナイト」。

 

愛龍社 パンダ屋マグカップ ARO-1090

 

これまでの相棒の傾向として、映画やスペシャルはいまひとつであることが多いと思っていたのですが、いやはやこれは素晴らしかったです。

 

事前にYahoo!のトップか何かのニュースサイトで犯人を知ってしまい、しょぼくれていたものの、甲斐享が犯人であろうことは冒頭にさっそく明らかになるため、視聴にはほとんど影響ありませんでした。

 

内容は、甲斐亨がダークナイトとして、法では裁かれない悪人を警察に見つからないようにこっそりボコボコにして「おしおき」していたわけですが、その模倣犯が「殺人」を犯してしまう。

 

模倣犯はダークナイトに憧れており、過去の「おしおき」についても自分の犯行だと主張するものの、本物のダークナイトである甲斐亨は、これに納得がいかず。

 

あの手この手で、本物のダークナイトは別にいることを証明しようと手を尽くすのですが、その過程でボロを出し、杉下右京に逮捕されてしまう。そんな顛末です。

 

模倣犯に苛立つ真犯人、という構図は別の作品でも見たような気がするものの、犯人が刑事であり主人公の一人であるという点がさらに複雑で、なかなかにチャレンジングな試みです。最終回にふさわしい大作だと感心させられました。ダークナイトというタイトルも秀逸です。


 

ところで、相棒についてたまに書いているせいか、「相棒」をキーワードに検索してここにたどり着く方もたまにいらっしゃるようです。多いのは「相棒 神回」と「相棒 つまらなくなった」という、まったく逆の2つのキーワード。 

 

これ、僕もいちファンとして、すごくよく分かるんですよね。僕自身も、神回がある一方で、あからさまにつまらない回も存在すると感じていますから。でもなんでそうなってしまうのか、最近はその理由がなんとなーく見えてきたような気もしています。

 

昔の相棒は、刑事ものとしての足腰が今よりもしっかりしていました。それを象徴するのが杉下さんの、ある行動です。ほぼ毎回くらいあるかと思いますが、容疑者に聞き込みしたとき、帰り際に「最後に、もう一つだけ」と言って質問するアレ、ありますよね。

 

もとは刑事コロンボであったものだそうで、古畑任三郎も似たようなことをやっていたかと思いますが、あれは本来、帰ると見せかけて犯人を油断させたところで、ズバリ確信をつく質問をすることで、犯人をゆさぶったりボロを出させたりするのが趣旨だったわけです。

 

ところが最近の杉下警部のやる「最後に、もう一つだけ」は、完全に様式美と化しています。キャラクター性を出すための記号になってしまっており、特に必要ではない場面でも使われているように感じます。

 

他にも「細かいことが気になってしまうのが、僕の悪い癖」とか、「はい??」とか、口癖はまぁ色々ありますが、つまりシーズンを重ねる中で、杉下右京がアニメのキャラクターのようになってきている感じがするんですよね。

 

以前は事件を描くことに時間を費やしていたところを、キャラクター性を描くために使う時間がだんだん増えてきているのではないかと、そんな風に感じています。

 

古い作品では、事件に対してどう向き合うか、という観点から杉下右京の人物像が炙り出されるような展開が多かったところが、最近ではあからさまに杉下右京の人となりを語るためのシーン、というのがわざわざ準備されている印象を受けます。

 

知り合いには、杉下さんがブルブル震えながら説教する場面を楽しみにしている人もいるくらいです。あれなんて、完全に水戸黄門の印籠と同じ機能を果たしていると思うのですが、いかがでしょうか。まぁ、そう言っておきながら、僕もけっこう好きなのですが(笑)

  

また、描くものもどんどん変わってきていますよね。昔は犯人の葛藤、憎しみなど、個人にフォーカスしたテーマが多かったように思います。

 

今は社会を風刺するようなテーマ選択が多いですね。食品偽装や学生の就活、人材エージェント、SNSなど…。特定の人物の心の闇を描くのではなく「世相」にスポットをあてるような回が多くなりました。これも相棒の毛色が変わった要因だと思います。

 

社会性を帯びたテーマのときは、犯人が魅力的に見えなくなってしまう弊害があるように思います。社会に対する不満と犯行がきれいに結びつかないために、どうしても脚本に踊らされているような印象を受けてしまうんですね。

 

うまくハマったときは抜群に面白いのですが、外したときの落差が大きいせいで、極端につまらない回ができてしまっているのではないでしょうか(最近の作品のほうが、面白さの当たり外れが大きい気がしています)。

 

Season14では反町が相棒役を務めることが決定しました。

彼のガタイの良さをみると、初代相棒の亀山君を思い出しますね。

 

社会派のストーリー展開から一転、亀山君時代のように王道路線に戻ったりすることがあるのでしょうか。それともまったく新しいシナリオのスタイルを見せてくれるのでしょうか。何はともあれ、今年の秋も楽しみです。

 

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