「食べログ」の腐敗の仕方と「はてなブックマーク」の腐敗の仕方が酷似している。
ちなみに、当初つけていた記事のタイトルは「スマホで食べログのPC版(無料でランキング表示)を見る方法。」。書き進めるうちに、記事の趣旨が変わってしまったので、記事タイトルを変えてみました。
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ある日突然、スマホで食べログのPC版が見られなくなって困ってました。
というのも、スマホ版のままだとランキング表示するのが有料なんですよね(PC版だとランキング順にお店が並んだものを無料で見れるけど)。
ランキング順に並べられなければ、食べログの価値は半減。
これは困ったぞ…どうしよ(´・ω・`)
以前は、画面の一番下の方に、
PC版に切り替えるボタンがあったはずなのに、
これがなくなっていたんです。
くそー食べログめ。
足元を見やがって。
意地でも見るかと思って、
ググったら解決方法が見つかりました。
右上のメニューボタンをポチッと押すと「PC版サイトを見る」というボタンがあるので、これを押せばOK。以前のようにスマホでPC版サイトを閲覧できます。※ちなみにandroid版のやり方です。
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まぁ、ここからは愚痴なんですが、こういうやり口って嫌だなぁと思うわけです。リテラシーの低い人からお金を巻き上げようとしてる感がありありと伝わってきます。
ググって簡単に見つかるものに対してリテラシーとか言うのも、リテラシー低そうな発言だと思いますけど、世の中には調べるのがめんどくさい層もいて、そういう人を狙い撃ちにしてた、陰湿な仕様変更に感じます。
ケータイ電話やネット回線の料金体系なんかもそうですが、あえてユーザーに不便を強いておき、お金を取ろうとするやり口は嫌いですねぇ。
食べログも、今年でいよいよリリースから10年経ちます。
当時、ユーザーが少なかったときは良かったんですけどね。一部の熱心な人が新しい店をどんどん開拓して、書き込んで、それを読んだぼくたちは、その店に行って、、、
すごい!ほんとうに美味しかった!
食べログってスゲー!
レビュワーさんありがとう!
とか、まじめに思っていました。
いやぁ、いいサービスだったなぁ。
が、しかし、時は流れ2016年。
いまや食べログは影響力を持ちすぎました。
いや、影響力といってもニッチなんですけどね。
あくまで食べログユーザーの中だけで、爆発的な拡散力を持つと言いますか。
ただ、それなりに数が増えて来ると便利さよりも弊害のほうが目立つようになってきました。
以前はレビューを見てお店に行っても普通に入れたのに、最近は、食べログで高得点の店は予約しないとスムーズに入ることは難しくなってしまいました。焼き鳥屋で予約なんて、よほどの店でなければ必要なかった気がするんですけどね。
いまじゃ、裏路地の落ち着いたイイ店見つけた!って喜んでいたら、あっという間に食べロガーに発見されて、グルマンたちの巣窟と化してしまいます。ユーザーが少なかった頃は、店の流行り方がもうちょっと緩やかだった記憶があります。
あきらかに名店で「ここは流行るね」と言いつつ通っていたお店が徐々に徐々に流行りだして、そのうち予約しないと入れなくなって足が遠のく。応援していたアーティストがブレイクして、ライブの席順がどんどん後ろになってしまう寂しさと似たこの感じ。
これはこれとして風情があって個人的に好きだったのですが、最近はもう、一瞬ですよね。たまたま入った店が「つい一週間まえにオープンしたんですよ!」とか言っていて、それから一週間後に「あそこの店、良かったもう一回行ってみよう」と訪問したら、、、満席。
食べログに古参レビュアーが書き込んでおり、そのフォロワーたちが「お気に入りのレビュワーさんが訪問していたので、さっそく行ってみました」とか言って、書き込んでいる。見ると点数もうなぎ上り。ランキングでも良い位置につけているじゃありませんか。
もっとすごい店になると、ブレイクした勢いで2店舗目、3店舗目をあっというまに展開していたりもします。個人商店とは思えない勢いで店が拡大していく様は、圧巻であり、異様でもあります。
最近は頼みの綱だった点数機能も崩壊気味で、なぜこんな店が、と思うような平凡なレストランに高得点がついていることも増えました。有力なレビュワーが高得点を入れると、お店の点数が跳ね上がってしまうためです。
それを知ってか、お店の中には、有力レビュワーをレセプションに招いて、よいしょクチコミを書いてもらう輩も出始めました。一方的に評価される側だった店が、逆に食べログの仕組みを逆手にとって、宣伝ツールとして活用をしはじめたのです。
食べログは、当初、クチコミを通じておいしいお店を探せる便利なツールだったはずなのだけど、いつしか飲食店が事業成長を加速させるためのツールにすり替わってしまったような気がしています。
さらには、その波に乗っかり、運営の側からお店のPRを想定した掲載プランも出る始末。
リリース当初のツールとしての思想がどんどん薄れる一方で、金が集まり影響力が増大していきます。
でも、紙面にノイズが増えれば増えるほど、クチコミ機能は以前よりも低下していくので、純粋なヘビーユーザー(書き込まず、クチコミを参考にするだけの人)は離れていきます。
一方で、承認欲求を満たしたいレビュワーは人が集まるほどに、一層沸いて出てきます。お互いにいいね!し合って、お互いがおススメする店に行き合って、気持ちよくなっているわけです。
食べロガーの中には、自らサイトを立ち上げてグルメブロガーにクラスチェンジする人も現れます。メディアに登場しちゃう人も現れます。カリスマ食べロガーと持ち上げられて、あの店は俺が書き込んだから流行った、とか言い出すわけです。
で、そんなカリスマが「再訪はありません」と、無慈悲なコメントで新参店を閉店に追い込むわけです。
そういえば、脱サラして店を始めた、って言ってたあのオジサン、どうしちゃったんだろうなぁ…。やっと独立できたんすよ、って楽しそうに料理作ってた兄ちゃんは、どうなったんだろう…。みんな元気にしてるだろうか……。
ぼくが大好きだった食べログは、どこへ行ってしまったんだろう(´・ω・`)
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これ、食べログの話を書いたつもりなのだけど、言葉を入れ替えたら、そのまま「はてなブックマーク」の話になりそうだと思いませんか?
腐敗の仕方が酷似してると思うんですよね。