マクドナルドを「おいしい」というのは勇気がいる。
マクドナルドには定期的にお世話になっています。
この間のグランドビッグマックも良かったけど、クラブハウスバーガーはさらに良いですねー。特にクラブハウスのビーフ(写真はチキンです)は最高でした。
マクドナルドを褒めることに、何となく抵抗を感じる
クラブハウスバーガーのキャンペーンが、ツイッターで開催されています。
店頭でもらえるスクラッチカードを削って、おいしさが星何個ぶんかを「#クラブハウスバーガー」のハッシュタグ&写真とともにツイートすると抽選で200名に5000円分のマックカードが当たるというもの。
チキンもビーフも超うまい!個人的に久々のヒット。 #クラブハウスバーガー https://t.co/ZxPrvG30Ej
(ぼくもツイートしてみました)
で、これを投稿するときに思ったのが、マクドナルドを「おいしい」と言うことには、ちょっぴり勇気がいるな、ってこと。
それはマクドナルドがジャンクフードで、ランチカースト的には最下層に見られている食べ物だからです。マックをおいしいと言うと、バカ舌だと思われるんじゃないかという気分にもなります。
マクドナルドにはいつからか、そういったネガティブなイメージがつきまとうようになりました。
今日の昼は何だった?と聞かれてマクドナルドに行った話をすると、モスバーガー信者の友人にもよく言われます「いまだにマックなんて食べてるの?マジ??」って。
モスバーガーは褒めやすい
マクドナルドに対して、モスバーガーを褒めるのは簡単です。
地産地消で新鮮な野菜を使ってるとか、注文を受けてから作るからいつでも出来立てとか、ほめどころはいくらでもあります。
実際、ネットの評判に限らず、「マクドナルドはマズいけど、モスバーガーはウマい」と真顔で言う人を、けっこう見かけます。
でも、本当にそうでしょうか?
モスバーガーは褒めやすいだけなんじゃないですか?
個人的には、マクドナルドのバーガーをマズいと思う人は、モスバーガーもマズいと感じると思うんですけどねぇ。
正直言って、マクドナルドもモスバーガーもどちらもファーストフードの域を出ていないし、単に味のベクトルが違うだけだと思うのですが…。
たしかにモスバーガーの方が、こだわり感を演出するブランディングは上手です。でも、言うほどそのこだわりを味に反映できているとは思えません。
怒られそうだけど、サントリーのプレミアムモルツも似たような感じかなぁと思います。キリンやアサヒと比べて、そんなに抜けてるとは思えない。PR上手だなぁとは思いますが。
少し話がそれましたが、ぼくの率直な感想としては、
マクドナルド⇒マズいと言われている割には、おいしい。
モスバーガー⇒ウマいと言われている割には、案外ふつう。
マックもモスも、どちらも値段相応だと思います。
あとは好みの問題じゃないですかね。
モスバーガーを異様にほめちぎる人は、「スターバックスのコーヒーはおいしいけど、ドトールはマズい」って言っている人と同じ匂いがします。企業イメージをおかずにし過ぎでしょう。
高級バーガーと比べると、マクドナルドのすごさがよく分かる
最近どんどん増えています。本格派のハンバーガー屋さん。クラフトビールなんかも飲めたりして。おいしいですよね。
そんなこだわりのバーガー店と比較すると、今回マクドナルドがプッシュしているクラブハウスバーガーの完成度と言いますか、企業努力のほどが伺えます。
たしかに、こだわりのバーガー屋さんのハンバーガーは圧倒的にうまい。激ウマです。ただ、そのぶん値段もお高いです。バーガー単体で800円以上は当たり前。セット価格だと1000円の大台を超えてきます。
一方でマクドナルドのクラブハウスバーガーは、クーポン使用で単品470円。セット740円。
数十円の違いでもエラいことなのに、こだわりのハンバーガー店の60%くらいの価格でこの味が出せるというのは驚異的だと思います。
特にクラブハウスバーガーのビーフは、(高級品と比べて)低価格にも関わらず、ちゃんと「こだわりのハンバーガー風」に仕上がっているのが素晴らしい。
100円以下でハンバーガが売られていた、マックが超デフレだった頃の値付けが忘れられない人からすれば、バーガー1個に470円出すなんてあり得ないと思うのかもしれません。
でも、比較する対象を変えれば、クラブハウスバーガーって充分にお得感があると思うんですよね。
マクドナルドを牛丼と比較する人
たまに見かけるのが、牛丼と比べてマクドナルドを否定する人。あれはけしからんですね。
ハンバーガーを食べたいって話をしているのに「牛丼の方がコスパ高いよ」って言われても知らんがなって話です。コミュ障かと。まぁ牛丼は牛丼で好きなんですけど、論点がズレてると思いますね。
同じ比較をするなら、同価格帯のパン屋さんに売られているハンバーガーやコンビニのパンコーナーに並んでいるハンバーガーと比べるほうが、まだ理解できます。
※デイリーポータルZより
こんなやつです。
あれはあれで良いものですが、ハンバーガーとしてのおいしさで言えば、マクドナルドやモスに軍配があがります。
各企業ともに努力しているはずなのに、ハンバーガーチェーンの味には及びません。というよりも、どこまでいっても総菜パンの延長でしかなく、ハンバーガーらしさがないというのかな…。
いずれにしても、あの値段でマックやモスのようなハンバーガーを出すのは、そう簡単ではないということなのでしょう。
本当はみんな、マクドナルドの良さに気付いてる
「マクドナルドなんて、安さだけが取り柄なんだからさ」と言う人がいます。その人が利用するのは、ほぼ100円マックのみ。でも、似たような値段のコンビニのハンバーガーを買うことはありません。
心の奥底では、マクドナルドのおいしさやコスパの高さを、みんな自覚していると思うんですけどね。あえて口に出すことは、はばかられるような雰囲気があります。中国のチキンの一件など、不祥事の影響もあるでしょう。
だからこそ、あえて消費者の口から「おいしい」と言わせる、今回のマクドナルドのキャンペーンは面白い仕掛けだと思いました。
あえて言葉に出させることで潜在意識が強化されますし、一度マクドナルドをおいしいと言った人は、一貫性の原理でマクドナルドをよりおいしいと感じやすくなります。
マクドナルドは、自分たちの提供する商品の価値を信じています。他社には決して劣らない、と。
商品改良ももちろんやりますけども、販売不振の急所は、ブランディングにこそあると考えていることの現れでしょう。消費者からの誤解を解きたがっているのです。
ロッテもかつて「おいしくなければ返金します」と、うたったキャンペーンで成功しました。
果たして、マクドナルドの「誤解」は解かれるのでしょうか。
もう一度「マクドナルドをおいしい」と言える世界をつくるために。
マクドナルドにとって、ここが踏ん張りどころですね。