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焼き鳥屋さんで、焼き鳥を食べない人が増えた。

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焼き鳥屋からのお願いです。

焼き鳥は、串から外さないでガブリついて食べて下さい!

焼鳥屋からの切なるお願い|ヤマゲタンのひとりゴト

 

個人的にはよくぞ言ってくださいました、と言いたい。

この店主とは気が合いそうだ。

 

僕としては、人数ぶんの串を頼んで1人1本味わいたいと思っているが、串から身を外してシェアする客をあえて弁護するならば、これには大きく3つの要因があると思っている。

 

1.焼き鳥店の「総合居酒屋化」

古き良き焼き鳥屋には、焼き鳥以外のメニューがそんなになかった。

あったとしても、それは野菜の串だったり、焼きおにぎりであったり、あくまでも焼き鳥のサブ的扱いのメニューが多かった。

 

メニューが焼き物を中心に絞り込まれていればこそ、必然的にメインディッシュは焼き鳥ということになっていた。

 

しかし、今はサラダにはじまり、鶏のお刺身、だしまき、から揚げ、ポテトフライ、店によっては魚のお造りも置いてあるなど、メニューが多様化している。

女性を意識してスイーツを充実させる店も多くなった。

 

メニュー構成における、焼き鳥の濃度が低下しているのだ。

どんなメニューの書き方をしているかによっても差はあるだろうが、数ある食べ物の中のひとつとして串盛り合わせがある、という捉え方をされても何ら不思議はない。

客側の「焼き鳥を食べたい」という欲求が弱くなっている。

 

さらに言えば、おしゃれぶって女性を意識したメニューを置くと、合コンのような利用のされ方も増えるため、総合居酒屋的な使われ方をするケースはますます増えていく。

 

 

2.焼き鳥を串から外すことのマナー化

サラダを取り分けるのやお酌するのに似ている。

串から外して食べたいから外す、というより「そうすることが常識、マナー」と捉えられている。

 

後述する3つめの要因とも関係しているのだが、仮に串から外さずに1本を一人占めする人がいたら、自分勝手な空気の読めない人、と思われてしまう可能性は確かにあるのだ。

 

だから、いちいち串から外す手間のかかる焼き鳥よりも、手軽にシェアできる一品料理が好まれる。

 

客が串を望まないことと店が串に刺すのが手間なことがwin-winとなり、最近は、串に刺さずお皿に盛って提供する焼き鳥屋も増えた。

 

 

3.特に若者世代が小食になった

女子は少量を色々食べるのが好きだとよくいう。だが、いまやこの考え方は男子にも共通するものとなった。

 

若者自体が全体的に小食になっており、串から外して1個ずつ「つまむ」ことで、色んな種類を味わっているのだ。

(あるいは金がないから、腹八分目しかオーダーしないのかもしれない)

 

たとえば、グループでお店にくると、彼らはこんな風なオーダーをする。

  • サラダ
  • だしまき
  • から揚げ
  • 軟骨から揚げ
  • ポテトフライ
  • 串盛り合わせ5種(これを分解・シェアする)
  • 〆(鳥雑炊とかおにぎり、女子はデザート)

 

ダラダラとおしゃべりしながら、大皿料理を適当につまむ。そして、だいたいいくつかの料理を食べ残す。主体性を持って(食べたくて)注文していないからだ。

 

それに若者は酒量も減っている。酒量が減ると酔わなくなるので、食べる量が減るのは至極当然のことだろう。

 

 

カフェの延長線上に、居酒屋がある

さきほどの食べ残しに通づる所もあるやもしれない。

若者たちを見ていると、スターバックスで会話する代わりに居酒屋にきているように見える人たちがいる。

 

オヤジ世代:居酒屋=旨いもん食って旨い酒を飲む場所

若者盛大:居酒屋=友達と盛り上がる場所、話す場所

 

全部が全部ではないが、この傾向はあるのではないか。

 

はなから食に関心のない層が増えていると感じる。

その背景には、飲みニケーションが激減し、先輩に美味しい店に連れて行ってもらうことがなくなった世相も少なからず影響しているだろう。

 

 

若者世代の、外食に対する意識の格差

昔は上司や先輩が、経験の平準化に一役買っていた。

しかし飲みニケーションがなくなり、食べることに対する意識の格差が拡大しつつある。

 

食に興味のある層は、ネットや雑誌の情報をフル活用して自ら貪欲にその機会を得る。外食に対して、お金もそれなりに使う。

 

一方で、感心の薄い層は、居酒屋を単なる「ハコ」として見ている。だからどんな店でも、鶏のから揚げやポテトフライを注文してしまうのだ。

 

彼らには「お店で旨いものを食う」という発想がない。なぜなら、その場は彼らにとって、そういうことを求める場じゃないからだ。

 

焼き鳥を串から外すようになったのは、「飲みに行く」行為において料理を味わう優先度が下がり、仲間と関係を築き、面白おかしく過ごすことの優先度が高まったからなのだろう。

 

その場の和を乱してまで「1人1本頼もうぜ」と主張する者はいない。

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