ゼリア新薬の研修を請け負っていた「ビジネスグランドワークス」の研修を導入している企業。
ゼリア新薬の新入社員が、研修でパワハラ被害にあって自殺したとして、遺族が損害賠償を求める裁判を起こしました。
裁判の結果がどうなるかはさておき、若い方の関心は「こんな研修のあるブラック企業には入社したくない!!」ということに尽きるかと思います。
研修を請け負った会社「ビジネスグランドワークス」のホームページを見れば、幸いにもいろんな情報が入手できましたので、ここにまとめておこうと思います。
- Webサイトに掲載されている新入社員研修の事例
- ビジネスグランドワークスの研修を導入している企業名
- もしも問題ある研修が行われていたとすれば…
- 学生は、ゼリア新薬以外の製薬会社にも注意した方が良い
- この手のパワハラまがい研修は、必要悪でもある
Webサイトに掲載されている新入社員研修の事例
ホームページに進入社員研修の事例が載っていました。
新入社員研修「飛翔への道コース」|効果の高い“実践型”研修のBGW
該当箇所を以下にまとめます。ご覧ください。
「飛翔への道コース」2泊3日の変革へのプロセス
①学生気分の払拭、社会人、組織人としての意識
社会人、組織人として、仕事をするプロとしての心構え、考え方、行動の仕方を教え、学生から社会人、組織人へと意識を高める。
②基本的なビジネスマナーを習得する
社会人、組織人として、仕事をしていくプロとしての立ち振る舞い、姿勢・態度、礼儀・挨拶など基本的なビジネスマナーを教え、身に付ける。
③基本的なビジネススキルを習得する
電話対応・仕事の受け方・報告連絡相談・名刺の受け渡し・言葉遣いなど、ビジネスで必要な基本的なビジネススキルを教え、身に付ける。
④基本的なヒューマンスキルを習得する
話の聞き方、自分の考えを論理的に話す能力、書き方、理解力、積極性、時間管理ポジティブ思考などの基本的なヒューマンスキルを習得する。
⑤研修で身に付けた知識、スキルを職場で実践する
研修で知ったこと、身に付けたことを実際の職場で使えるよう、研修中、十分に練習を重ね、社会人、組織人として成長していく土台をつくる。
※ただし、オーダーメイド型の研修のようですので、ゼリア新薬ではこれとは異なる内容であった可能性もあります。
「学生気分を払拭」の部分が、行き過ぎるとパワハラになるおそれがありそう…。
この手の研修って、最初にこっぴどく叩き落しプライドを破壊して、その後、洗脳のような形でスキルを植え付けるから定着が良かったりしますしね(´・ω・`)
個人的には嫌な予感しかしない研修プログラム。
ビジネスグランドワークスの研修を導入している企業名
さて、肝心の研修を導入している企業ですが、、、
なんとWebサイトのトップページにあっさりと公開されていました。
学生さんに大人気の企業さんも多いです。
読みづらいので以下、書きますね。
- カルビー
- 大鵬薬品工業
- 東建コーポレーション
- アース製薬
- 大塚製薬
- アールディーシー
- 福屋ホールディングス
- マルエツ
- 日本旅行
- ユナイテッドアローズ
- ツルハホールディングス
- ノジマ
学生に人気のホワイト企業もあれば、あぁ…とため息の出る業界内では超有名なブラック企業もあるといった印象です。
研修内容がオーダーメイド型なので、企業からのオーダーによって厳しさの度合いは全然違うのでしょうね。
もしも問題ある研修が行われていたとすれば…
研修会社であるビジネスグランドワークスが黒かというと、責任はあるがそうとも限らない、という印象を受けます。
研修導入企業のところにホワイトな企業名も入っていましたので、企業の意向をくみとって研修商品をオーダーメイドするスタンスなのではないかと推察されます。
つまり研修会社は、クライアントの要望によって白くもなれば黒くもなるということです。
ゼリア新薬が、学生気分の甘ったれた新入社員を鍛えるために、過激な研修を要求した可能性は否定できません。あるいは講師の暴走、という可能性もあります。
もちろん公平を期するために言っておきますが、単に新入社員の方の心が弱かっただけという可能性も0%ではありません。
このあたりは今後、裁判で明らかになっていくのでしょうね。
学生は、ゼリア新薬以外の製薬会社にも注意した方が良い
導入企業名にやたら製薬会社の名前が入っていたところを見ると、今回、ゼリア新薬はたまたま事が大きくなってしまっただけで、他の製薬会社もけっこう似たようなことをやっているのではないかと感じてしまいます。
製薬会社の営業はキツい仕事であるとよく耳にしますので、生半可な鍛え方ではもたないと言うことなのでしょう。
ただ、ものには限度がありますから、精神を傷つけたり、自殺に追い込むような指導があってはなりません。言うまでもないことですが。
せっかくの機会ですから、学生の立場からすれば、あえて危ない橋を渡ってまで製薬会社に入りたいですか?ということを、考え直してみても良いんじゃないでしょうか。
この手のパワハラまがい研修は、必要悪でもある
いろいろ書きましたが、今回の件はともかく、個人的には、この手の研修は必要悪だと思っていたりもします(僕は絶対受けたくありませんが)。
企業が直接的に厳しい指導をすると後にわだかまりが残りますから、研修会社にヒール役になってもらえるとありがたいのが、企業の本音ではないでしょうか。
最近の若い子は、厳しく指導するとすぐ辞めちゃいますしね。
かと言って甘やかすと、社会人として使い物にならなくなるのも、また事実です。
2泊3日という限定された期間で、第三者からの一時的な指導なればこそ、学生もどうにか耐えられるという側面もきっとあるのだと思います。
ただ、今回はそれが行き過ぎたと。
若者が甘くなってるのと同時に、大人もまた、いい塩梅の力加減が分からなくなっているような気がします。
だからこその研修会社なのですが…。