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どうだった?2017新卒採用。どうなる?2018新卒採用。

リクナビかマイナビで迷ってる場合じゃない

2017年度の新卒採用が終わらぬままに、2018年度の採用がスタートしました。

選考解禁の前倒しやインターンシップの過熱化、リクルーター制度復活の兆しなど、波乱の展開が予想される2018年度の新卒採用。

 

そこで新卒採用を行う企業の方、就活生の方向けに、2017年度の振り返りと2018年度の展開について整理しておきたいと思います。

 

ナビサイトの集客で、企業間格差が顕著に

3月1日にリクナビやマイナビなどの新卒採用サイトが一斉にオープン。

売手市場の事前情報もあり、学生たちは強気のスタンスで就活に臨んだ人が多かったようです。まずは人気の業界(金融・商社・メーカー・食品関係など)やネームバリューのある大手企業にエントリーが集中しました。

掲載するだけで一定量のエントリーが稼げる勝ち組企業。掲載しても鳴かず飛ばずの負け組企業。これだけなら例年通りのよくある光景です。

 

ところが2017年度は、インターンシップが大いに盛り上がりを見せました。年々、インターン実施企業は増えていたものの、2017年度は3社に1社程度の企業が何らかのインターンを導入した結果に。

大手企業の導入率が高いのは当然ですが、300名未満の中小企業でも2割強がインターンを実施。3月1日よりも前から学生と接点を持つことで、ナビサイトの解禁前に見込みエントリーを稼いでいた企業は有利に選考を進めることができたのです。

人気・不人気に加えて、インターン期にどれだけ労力を投じたかでも、さらに大きな差がつく結果となりました。

 

インターン期なら、中小企業にも勝機はあった

いくらインターンに力を入れていれば…と言っても、それも結局、大手企業のような知名度のある企業が独り勝ちしていると思われるかもしれません。

ところが実際はそうとも言い切れません。学生がどういった基準で参加するインターンを選んでいたか。リクルートキャリアがデータを集計しています。

 

★学生がインターンシップを選ぶときに重視していること

学生がインターンシップを選ぶときに重視していること

(リクルートキャリア プレスリリースより)

 

学生がインターンシップを選ぶときに重視していたのは、

  • 1位:業種(56.8%)
  • 2位:インターン内容(46.6%)
  • 3位:職種(37.3%)
  • 4位:日程・期間(31.5%)
  • 5位:開催場所(29.7%)
  • 6位:企業名(22.0%)
  • 7位:企業規模(7.1%)
  • 8位:採用に直結するかどうか(6.8%)
  • 9位:報酬(1.1%)
  • 10位:その他(1.6%)

こんな順番。

 

企業名や企業規模の占めるウエイトはかなり低いのです。

「業種(56.8%)」の壁があるため、不人気業種にとって楽とは言えない状況ではありますが、3月1日以降に比べれば、大手企業を出し抜いて数名の学生を引っ張る程度なら、充分に可能だった時期だと思います。

各企業がインターンシップに熱心に取り組んだことで、結果的に、不人気業種でかつナビサイトの集客のみに頼っていた企業は、ライバル企業に大きく水をあけられる結果となってしまいました。

 

内定を10個以上とるも、浮かない表情の学生

企業が求める学生のタイプは各社共通。

地頭がよくコミュニケーション力が高く、タフな学生。すべてを兼ね備えた超優秀層の学生には、いろんな業種の企業から内定が出ます。なかには10個以上の内定をとるような学生もいたようです。

 

選択肢が広がって、学生はさぞウキウキしているだろうと思いきや、学生は思い悩んでいます。信じられないかもしれませんが、内定が出た企業のなかから、どこを選べば良いか決めかねているのです。

しかしこれは学生が優柔不断なのではなく、2017年度の就活ならではの深刻な事情があります。

選考解禁日が8月1日から6月1日に、2カ月間前倒しされた影響です。

ナビサイトのオープンから選考解禁までたった3ヶ月。説明会にイベントに大忙しのなか、学生は将来について熟考するヒマはありません。軸が定まらないまま企業研究がてら色んな企業にエントリーしたら、すべての選考に通過してしまった…。自分がなぜ選ばれたのか理解できていない学生は戸惑うばかりです。

 

企業の側も、学生の対応やイベントの参加など短期間でスケジュールをこなすことに懸命で、学生一人ひとりに丁寧に向き合う時間をつくるのが難しい状況でした。

なぜあなたは内定なのか。学生が決断できるだけの動機形成や相互理解がないままに、一方的に内定が出されているのが現状です。

 

内定が一部の学生に集中した裏側で、大量の夢破れた学生が出たことも見逃せない事実です。売手市場の前評判の影響もあり、高望みする学生が多かったようです。

内定をとれなかった学生たちが7月以降に企業選びを再スタートし、一部の学生に内定が集中してしまった影響で、大量の内定辞退を受けた企業側も第2ステージの採用に奔走。結果的に、2017年度の新卒採用期間は、超長期化することとなりました。

 

選ばれし一部の学生たちは、入社企業をどう選んだのか

企業選びのポイントはいくつかあります。

  • 大手・知名度が高い・人気業種である
  • 将来性がある
  • 仕事内容が希望どおり
  • 福利厚生・待遇の充実
  • 教育・研修制度の充実
  • 社会貢献度が高い
  • 希望の勤務地で働ける
  • 世の中への影響力がある
  • 社風や社員の雰囲気

ご覧のとおり、同業同士であれば圧倒的に大手が有利です。

 

ただ、一部に「希望勤務地で働ける」や「社風や社員の雰囲気」といった番狂わせが起こりそうな要素も含んでいます。

たとえば大企業は全国転勤があるために、地元志向の強い学生のなかには、大手を蹴って中規模の企業に就職する人もいます。

 

また、社風や社員の雰囲気を気にする学生も多いです。面談毎の人事担当からの丁寧なフィードバックに感銘を受けたことが、最後の最後で入社の決め手になることもあるようです。

中途入社する人材に比べれば新卒学生はピュアですから、人間的なコミュニケーションでアドバンテージを得やすい側面があるのですね。

ただし、大学によっては、「内定がもらえたら、とりあえず承諾しておきなさい」と指導しているところもあるようですので過信は禁物です。思わぬ大金星がありえた半面、学生の手のひら返しに人間不信になりかけた人事の方も多かったのではないでしょうか。

 

2018年度の新卒採用は、新体制への対応がポイント

2017年度の新卒採用は、選考開始日の前倒しにより早期化。

インターンシップでのスタートダッシュと対面でのコミュニケーションの密度が、採用成功の明暗をわけました。総じて学生との直接接点をしっかり持てた企業が優勢に終わりそうです。

 

つまり、資金だけでなく人員の手間暇もたくさん投入した、採用に本気の企業が勝てているということです。

大企業だから必ずしも勝てるとは限りません。

インターンシップ期間という新しいステージに、追加の人員・資金を投じる決断ができるかどうかの問題です。トップが決断すれば動きが早いぶん、中小企業のほうが思い切った戦略をとれる側面もあると思います。

 

仮に2018年度も同じスケジュールで選考が進むとすれば、2017年度の傾向を踏まえてさらに先取りして動ける企業が、有利に採用を進める可能性が高いです。

一方、学生の視点でいえば、採用に意欲的な企業はインターンシップ期間に本気でアプローチをかけてきますので、プログラムの内容でインターン先を決めるのではなく、戦略的に入社したい会社のインターンを狙い撃ちすべきです。

インターンシップが事実上の採用選考の場として、本格的に始動するのが2018年度の新卒採用市場なのです。

 

まとめ

  • 2017年度では、インターンシップや早期の合同企業説明会などで学生とパーソナルな関係を築けた企業が採用成功した。
  • ナビサイトからのエントリーは3月1日が天井で以降は低迷(学生が説明会やイベントに奔走したため)。
  • 先輩社員との面談など、会社対学生ではなく、人対人のパーソナルな関係を築けると、選考が有利に。
  • 大手を志望する学生が増えたが、企業の内定出しは一部の優秀学生に集中。
  • 6月から7月にかけて、大量の内定辞退と大量の不合格通知が出された。
  • 企業は採用基準を下げないため、7月以降も活動を続ける一定レベル以上の学生が増加
  • 結果、就職活動は長期化している
  • 一方で、超優秀層にむけては3月1日の解禁前に内定が出るなど、早期化の傾向も強まっている
  • 早期化と選考のミスマッチによる長期化が同時に起こっている状況
  • 2018年度は2017年度の結果を踏まえて、新しい採用トレンドに対応できる企業が勝つ
  • インターンシップや学生と対面できるイベントでいかに他社と差別化するかが、勝敗の分かれ目となる

以上となります。

時期の変更で混乱が生じている就活ですが、双方ともに効率よくマッチングできる仕組みがこれから整っていけば良いですね。

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