「慟哭 そして」PS4版 感想
金曜夜から土曜日丸一日を使って一気にクリアしました。
「慟哭 そして」は、セガサターンのソフトのリメイク版です。知る人ぞ知る名作。
デジタルリマスターされているとは言え、20年前の作品なので、システムやゲーム設定に古めかしさは感じます。そこはまぁしょうがない。
しかしながら、ゲームとしての面白さ、サスペンス・ホラーとしての面白さは色褪せませんね。
2018年のいま遊んでも全然耐え得る内容でした。
王道のサスペンス・ホラー
通学途中に乗車していたバスが交通事故にあって、目が覚めたら廃屋敷の中。
屋敷の出口はふさがれており脱出は不可能。
そんな中、正体不明の何者かによって、乗客たちが次々と危険にさらされていきます。
完全受け身の映画だったとしたら超ベタなストーリーで退屈するかもしれませんが、アドベンチャー形式のゲームになると非常に面白く感じます。
アイテムを集めて簡単な仕掛けや謎を解きながら屋敷内を探索。
謎解きは、レイトン教授や逆転裁判ほど難しくはありません。
サスペンス・ホラー体験が主食なので、謎解きはあくまでも副菜という位置づけ。
脱出ゲーム的な面白さが味わえます。
要所要所で次のフロアにいくための「鍵」や「アイテム」を手に入れることができ、順々に探索できる世界が広がっていくのがシンプルに面白かったですね。
ありきたりな表現ですが、ドキドキ・ワクワクできます。
ゲーム冒頭に用意されている、死亡ENDにつながる罠の存在も印象的でした。
アイテムを取ろうとすると、罠にハマって死んでしまう仕掛けで、あれは引っかかってめちゃくちゃ悔しかったですねぇ。「あ゛ーー!」と思わず声が出ましたw
僕はアイテムにつられて警戒がゆるんだところを1発かまされてしまい、その恐怖感から以降の探索がおっかなビックリになってしまいました。
まんまと作者に踊らされてる感じが悔しいけれど心地良い。
設計の甘さはあるが「面白いのでまぁいっか」となる感じ。
昔のゲームってだいたいこんな感じだった気もしますが、いまどきの基準とくらべるといい加減な設定になっている部分もありました。
まず何といっても、犯人の殺しの手際が良すぎですwww
主人公が目を離した数十秒の間に、インスタ映えしそうな派手な殺し方をして、なおかつ現場から消え去ってしまうのはいくらなんでも凄腕すぎます。
建物の構造的に逃げ場がないところで煙のように消えてしまう、というケースも何度かありましたね。
冒頭のバス事故も、あんなもの意図的に起こせるわけないだろうとか、シャッターが閉まってるだけなら、ブッ叩いて壊せば脱出できるだろうとか。
人が殺されたのに、主人公を筆頭にキャラクター達の気持ちの切り替えが早すぎるだろうとか。
突っ込みどころには事欠きませんが、この手の世界観が好きな人であれば「お約束」として消化できる範囲だと思います。
作りは全体的に粗めですが、積極的に推理させる作品じゃないので全然OKだと感じました。
想像していたほど、猟奇的なゲームではなかった
パッケージのダークな雰囲気やゲームの説明書きを読むと、なかなかに猟奇的な作品のように感じるのですが、実際はそうでもなかったです。
人が次々お亡くなりになるので、ホラーといえばホラーですが、直接的なビジュアル表現は控え目。
グロ表現が得意じゃない人でもギリギリ遊べる内容になっていたと思います。
個人的にはやや物足りませんが、PS4だとこれ以上はダメでしょうね。
作中で、いちばん背筋がゾワリとしたのはこちら。
見せない怖さがあります。
ゴミ袋3つというサイズ感がいかにもリアルです。
最近のサスペンス系・ホラー系作品は、アクション要素が強すぎて馴染めずにいましたので、非常にありがたい作品でした。
この手のジャンルは新作がとても貴重です。サスペンス成分に飢えている方はぜひどうぞ。
まずは攻略を見ずにじっくり1~2周して、あとは攻略を見ながらストーリーを堪能。
という流れなら土日で遊びつくせるので、週末引きこもりアイテムとしても優秀です。