転職サイトで仕事を決めるのは、ネット通販で家を買うようなもの。紹介会社も必ず併用しよう。
正社員の職を得ることが難しいとされている昨今。
転職には、キャリアダウンや下手すれば非正規社員に転落するリスクがともないます。
- 勢いで会社を辞めた結果、再就職が決まらなくてそのまま非正規社員に転落…
- 転職に成功したと思ったら、想像と違う現実を突きつけられて、また転職…
企業は、転職回数の多いひとを嫌う傾向があります。
必然的に転職を繰り返すたびに条件が厳しくなってしまうため、良い条件で転職するのであれば、1度で確実に成功させる必要があります。
そこで失敗しない転職をするために便利なのが、転職エージェント(人材紹介会社)の存在です。
ある程度の規模の紹介会社であれば、どこでも構いません。
専門性の高い職業の方は、専門に特化した紹介会社に相談するのも良いでしょう。
ちなみにこれは、転職サイトで仕事を探す予定の方にも当てはまります。
一度、転職エージェントで色んな話を聞いたうえで、転職サイトを活用すべきです。
転職は、なんの準備もなしに一発で大成功させられるほど簡単なものではないのです。
- すべての転職者は、井の中の蛙であるという事実
- 転職エージェント=気兼ねなく何でも質問できる場
- この世に存在しない仕事を希望する人が、案外多い
- 無料で相談できる上に、エージェントを通じて転職を決める義務はない
- まとめ
すべての転職者は、井の中の蛙であるという事実
突然ですが、あなたは同業他社で働く同年代の人が、どのくらいの年収か知っているでしょうか?
その人たちが課されている日々のミッションはどんなもので、どういった評価基準があって、どんな手順で業務を進めているか知っているでしょうか?
転職する先が大手企業であれば、メディア上に多少なりとも情報は流れているかもしれませんが、それでもあなたが所属する予定の部署の詳細な情報までは分からないはずです。
多くの転職者の方には、正しい意思決定をするための情報が圧倒的に足りません。
仕事のスキルが高いことと転職が上手にできることは、まったくの別物だと考えて臨むべきです。
満足な情報が得られていない状況で、100%成功する転職ができるでしょうか?
失敗の確率のほうが、遥かに高いような気がして不安になりませんか?
だからこそ、プロである転職エージェントをうまく活用すべきなのです。
転職エージェント=気兼ねなく何でも質問できる場
時間がある方はエージェントのオフィスに出向いて。時間のない方は電話のやりとりでも構いません。
まずは自分が思い描いている希望をざっと伝えましょう。
年収はこれくらいで、こんな仕事内容で、こんな勤務地で…。
まずこの段階で、相手方の反応を見ればあなたの要求がどのくらい現実的なものか分かるはずです。
仮に、常識外れの条件を提示してしまったとしても良いじゃないですか。
相手はエージェントであって企業の担当者ではありません。
実際の面接の場で非現実的な要求をしてしまうと落とされてしまうおそれもありますが、エージェントとの面談ならば問題はありません。
貴重な転職先候補を潰すことなく疑問点をクリアにできるのは、エージェントを活用するならではのメリットです。
この世に存在しない仕事を希望する人が、案外多い
完全な同業種・同業界への転職であれば話は別ですが、業種や職種を変えた転職を希望する人のなかには、その業界や仕事についてあまり知識がない状態の方も多くいます。
この仕事、この給与で、この勤務地で…と希望をかけ合わせていくと、「そんな条件の仕事はあり得ない」というケースがしばしば発生します。
物やサービスに相場があるように、転職市場にも相場があります。
この「相場感」がどの程度かという感覚は、転職を考える際に非常に大事な観点で、転職エージェントに相談しなければ、なかなか気が付けないことです。
もしもあなたがエージェントに相談せず転職情報サイトをみていたならば、自らが思い描く「ありもしない理想の仕事」と比較して、せっかくの有望な求人情報を見逃してしまうかもしれません。
しかも、あなたはその事実に気が付くことはありません。「もっと良い条件の仕事があるはずだ」と思い続けて、いつまでも応募に至らないままダラダラと時間を浪費するだけです。
仮に、エージェントに相談したことで夢破れても、あなたが希望するような仕事がこの世にないと分かっても、それはそれで良い結果ではないでしょうか。
「ひょっとしたら、もっといい条件の仕事があるかもしれない…」と悶々とした気持ちで仕事を続けるよりも、「いまの自分にはこの仕事しかないのだ」と覚悟を決めて働けるほうが、良い結果につながるはずです。
また、それでも転職するのであれば、厳しい現実を知ったうえでの転職という判断になります。転職に対する期待値調整がしっかりできた状態で転職できるため、入社後のギャップに苦しむ可能性は軽減されるでしょう。
いずれにしても、失敗しない納得感のある転職をするためには、事前のリサーチが欠かせないということです。
そのためにエージェントのもっている「相場観」を聞いておくことが、とても役立ちます。
無料で相談できる上に、エージェントを通じて転職を決める義務はない
ここまで転職エージェント活用の有用性をお伝えしてきましたが、エージェントへの相談は基本無料です。
紹介会社は転職が決まった際に、その人の年収の何割かを報酬として企業から受け取っています。だから転職者がお金を払う必要はありません。
しかもビジネスとして対応している分、ハローワークなどよりもよほど熱心に対応してもらえます。
よく転職エージェントを活用する際の注意点として、「その人のキャリアなどお構いなしに、合格可能性のある企業をゴリ押ししてくる」といったデメリットが挙げられていますが、大事なのはどう活用するかということです。
ネットでの情報収集や他の転職エージェントとの比較など、転職活動は慎重にやろうと思えばいくらでも慎重に進めることができます。それに転職エージェントへの相談は、あなたの意志でいつでも中断することができます。
転職エージェントには、デメリット以上のメリットがあります。
本気で転職を検討するならば、紹介会社を通じて転職を決めるかどうかはさておき、情報収集の一環としてまずはエージェントに相談すべきなのです。
まとめ
転職は人生に関わる大きな決断ですから、情報はできるだけ多く集めたほうが有利です。
マンションや一戸建てを買うとき、誰もが色んな会社をまわって話を聞くはずです。ネットや雑誌などあらゆるところから情報収集もするはずです。
仕事を決めるのも同じです。
ひょっとしたら、それ以上に重い決断になるでしょう。
転職サイトだけで仕事を決めるのは、ネット通販で買い物するようなものです。
後悔しない決断をするためにも、使えるものは何でも使って成功を手にしていただければと思います。