裁量労働が殺すのは、古い体質のサラリーマンだけ。
働き方改革の一環として、裁量労働の適用範囲の拡大をしようという話になっています。
ぼくはこの方針に賛成です。
でも、世間では「定額働かせ放題」と批判され、否定的に捉えられています。
働かせ放題になんかならない
裁量労働に反対の人たちは、適用されると労働時間が青天井で増える。死ぬ。
というけれど、そんなことはあり得ません。
だって本当に働かせまくったら、社員はみんな辞めますよ。いまどき転職先なんていくらでもありますから。むしろ、働かせ放題なんて馬鹿げたことをしたら、会社は人手不足で倒産してしまいます。
「嫌なら辞めればいいって、ホリエモンみたいなことを言うな。簡単に辞められない人もいるんだ!」
という意見もありそうだけど、本当に無理なら辞めれますよ。
嘘だと思うなら、ちょっと息を止めてみてください。息を止めたまま窒息死できますか?できませんよね。苦しいと思ったら、息を吸ってしまいます。
まぁそれは冗談としても、それじゃあ最近の若者はどうでしょう。少しは彼らの生き方を見習ってみては?彼らはすぐ辞める達人です。入った企業がブラックだと分かるや否や即辞めます。
毎年4月、5月には、ツイッター上に「辞めたった報告」が溢れていますね。アラサーもアラフォーも同じようにすればいいのです。
もし辞めないでギリギリ耐えている人がたくさんいるのだとしたら、それは経営者の働かせ方が絶妙だということになります。
アパホテルの社長も言っていますよね。すぐ満室になる料金設定はダメで、ギリギリの部屋代を取らないと儲からないんだと。
あなたの会社の社長は、実に優れたコスト感覚をお持ちのようです。ムカつきますか?じゃあ辞めてやりましょうよ。そんな会社(笑)
仕事に裁量があると、働くのが楽になる
新たに裁量労働が適用される予定の「営業職」なんて、裁量労働で楽になる仕事の筆頭です。
むしろこれまでのようにガチガチに管理されているほうが、パフォーマンスも出しにくいし疲れるはず。
だって営業って、人によって本来、仕事の進め方は違うはずなんですよね。
アポの取り方だって色々あるじゃないですか。がむしゃらにアプローチしまくる人もいれば、データを活用して絞り込んだターゲットにアプローチする人もいます。
自分の担当するお客様は午前中に社内にいることが多いから、朝イチから営業に出て午後からデスクワークしよう、なんてのもあり。あるいはその逆のパターンもあるかもしれない。
自分の頭で考えて行動できる人にとっては、逐一管理されて一律の動きをしいられるよりも、よっぽどやりやすいと思うんですよね。
お昼ご飯だって12~13時の間にとるのは大変じゃないですか。そんなに腹も減ってなかったりするし。
14時くらいだったら、お店もほどよく空いています。なんなら16時くらいに食べて、夕食と兼用にしてもよさそうです。
裁量労働が殺すのは、古い体質のサラリーマン
ただし、ハッピーな意味での裁量労働を実現するには、日本人が変わらないといけません。
まず、会社を辞めることを怖がったらダメです。上司に意見することも怖がってはいけません。黙っているのが出世の近道だなんて考えるのはよしましょう。
この点に大きな誤解があると思うのですが「裁量労働=自由な働き方が保証される」わけではありません。
実務ベースで言うならば、保証されるのではなく勝ち取る必要があります。上司に「オレ流」の働き方を認めさせるところからが、裁量労働の始まりなんです。
そのためには、職務について自分なりの方法論を持たねばなりません。プロフェッショナルとして、自分なりのやり方で結果を出せるという自負が必要です。
たぶん、多くのサラリーマンに欠けているのは、この部分。会社の看板を降ろしてもやっていける自信と実力がともなわなければ、裁量労働の世界では損をします。
会社に言われた通りに、言われたままやって、結果が出なくてもどこか他人事。そんな働き方を長年続けてきた人にとっては、裁量労働は苦しい働き方になるでしょう。
だから古いタイプのサラリーマンほど、裁量労働に一生懸命反対します。
対して、新しいタイプのサラリーマンは、反対の声をあげる無駄をするくらいなら、スキルUPにつながる何かを始めているでしょう。
じっと耐えるのではなく、もがいてあがいて自由を勝ち取ることが、これからのサラリーマンには求められています。