「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」感想|酷い映画だったが、ヨーダのセリフには一聴の価値アリ
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」を見ました。
レビューの評価がとっても低くて嫌な予感はしていましたが、「そういうことか…」と思ってしまう部分があちこちに…。
無名の映画だったらこれでも良かったんだろうけど、皆がスターウォーズに期待するクオリティには、遠く及ばない作品になっていたように感じます。
- スターウォーズの世界観に、コテコテのアジア顔は合わない
- ホルドとポーの使い方に不満
- カイロ・レンのキャラが崩壊している
- カイロ・レン離反の描写が薄い
- 大作感を演出するための描写に時間を使いすぎ
- ヨーダのセリフには含蓄があった
スターウォーズの世界観に、コテコテのアジア顔は合わない
ローズ役のケリー・マリー・トランのことです。
みんな批判してるけど、やっぱり僕もダメでした。どうしても受け入れられない。
人種差別をする気は毛頭ないのだけど、スターウォーズの世界観にコテコテのアジア顔は違和感が…。
特にラスト付近のキスシーンは脚本的にも酷い。
緊急事態に何してんだと。一気に冷めました。
冒頭の爆弾投下するシーンも、一瞬、日本の戦争映画を見ている錯覚に陥ります。
近年、ハリウッド映画では、中国人が出ていたほうが中国市場で客受けが良いという理由で、不自然な中国人起用があるとは耳にしていましたが…。
(この方はベトナム系アメリカ人?とのことですが…アジア系のキャラクターを無理に入れる必要はないと感じます)
まさか天下のスターウォーズが、そんなくだらん大人の事情に飲み込まれているのかと思うと寂しかったですね…。
というか、中国でもベトナムでも日本でもどこでも良いのですが、そもそも女優さんってもっと目鼻立ちのハッキリしたタイプの人が山ほどいるんだから、西洋人と並んでも違和感のない人を出演させてくれれば良かったのに…。
※後日、ローズ役の件で世界中のスターウォーズファンから批判を浴びて、ケリー・マリー・トランがInstagramのアカウントを消したというニュースを知りました。
視聴後、ヒートアップして語気荒く書きなぐってしまいましたが、現在は、攻めるべきは女優さんではなく、キャスティングや脚本を担当した監督以下スタッフだったと認識を改めています。
ホルドとポーの使い方に不満
旗艦を囮にして基地に逃げ込む作戦はいいけど、じゃあ最初からそう言えばいいのに…。分かってたらポーも逆らわなかったでしょうよ。
まぁ正直に言っていたら、艦に誰が残るんだという話になり、ポーがごねることまで見越して黙っていたという設定なのかもしれませんが、いかんせん分かりにくすぎます。
冒頭で、ポーは自分の無謀な作戦で仲間を失っていたのだから、その罪滅ぼしとして、ポーに自ら「俺が艦に残る」と言わせればよかったのではないでしょうか。
そして最終的にポーを気絶させてホルドが艦に残るんです。そしたらもうちょっと感動的な特攻になった気がします。
カイロ・レンのキャラが崩壊している
もはやカイロ・レンが何考えてる人なのかがまったく意味不明。
ルークに裏切られて心の弱みにつけこまれスノークに利用されたが、スノークが死んだら、今度はスノークの後釜として最高司令になる?なぜ??
そんな権力志向のキャラクターだとは思ってなかったんだけどなぁ、、、分からん。一体彼は何がしたいのか。
次回作への布石なのでしょうか。
カイロ・レン離反の描写が薄い
「彼(カイロ・レン)の心に広がる闇を止められない」と知ったときは手遅れだった。
その一言で処理されちゃうと感情の動きが見えなさすぎます。
子弟がたもとを分かつにあたっては、不幸なすれ違いや立場の違いによるやむを得ない対立など、もう少し背景のドラマが欲しかったところです。
過去作で、ダースベイダーが生まれた背景なんかは、まさにそうだったじゃないですか。彼の抱える葛藤に強く共感できたからこそ、ダースベイダーが悪のようにふるまっていても、その裏に何かあるのではと僕たちの想像は膨らみました。
大作感を演出するための描写に時間を使いすぎ
スターウォーズっぽい宇宙世界の描写に時間を使いすぎて、本当に必要なドラマの描写をスルーしているのは納得いきません。
カジノからの大脱出シーンが長々ありましたが、心底どうでも良かったです。劣化インディジョーンズみたいで微妙でした。
しかも脱出のテンポも激悪です。
崖の手前で乗ってきた動物から振り落とされますけど、あんなのはそのまま崖下に放り出されたところを、間一髪宇宙船で拾えば良かったのにと思ってしまいます。
そのくらいのご都合主義のほうが見ていて気持ちいいです。
ヨーダのセリフには含蓄があった
あのタイミングでヨーダが出てくるのが唐突感ありましたが、セリフの言葉自体は含蓄があって、映画関係なしにいい言葉だなぁと思ました。
レイの期待に応えることができないと弱気になるルークに、ヨーダが語り掛けます。
「学んだことを伝えよ。強さと、熟達の業。弱さと愚かさ。失敗も伝えよ。それが大事じゃ。失敗こそが最高の師」
「ルーク。わしらは超えられるためにこそある」
「それこそが全てのマスターの真の責務じゃ」
師匠は弟子よりも優秀であるべし、というのが僕たちが思い描くあるべき師匠のイメージなのですが、そうじゃないのだと。先を行く者の役目は、成功も失敗も得たすべてを伝えて、後進の踏み台になることであると。
このセリフには、まだ40歳未満の僕ですらグッときました。
僕よりさらに上のスターウォーズ世代には、ライトセイバーのごとくグサリと突き刺さる言葉の剣だったのではないでしょうか。
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コアなファンの方の失望はもっともですが、ヨーダ師匠のこの言葉がきけただけでも値打ちものだったと、個人的には満足しています。
何だかんだで次回作が出たら間違いなくまた見ますし、うまく伏線回収してもらえたら評価だってV字回復するやもしれません。
スターウォーズの次回作に、フォースの導きがあらんことを。