採用できないのは『給与が低いから』ではない。9割の企業がしている勘違いとは?
【求人】「電話が来ない」、中小企業の採用戦線に異変、人手不足で押し寄せる賃上げ圧力、人を採用するのがかなり難しくなっている
人が集まらない原因の9割は、給与のせいではありません!(断言)。
試しに、リンク先に出ている「西尾硝子鏡工業さん」の求人を検索してみると、ハローワーク提供の情報が出てきた。
株式会社西尾硝子鏡工業所のハローワーク求人情報【ネットで簡単検索】
一部を抜粋するとこんな感じ。
この書き方だと、明らかに損してる。
元の記事にはグッチやシャネルなど高級ブランド店のディスプレーなどを手掛ける、とあったのに、その表記がないのだ。
現状の仕事内容でよければ、他の会社でも同じようなことが書けてしまう。ホームページを見ると、WBSでも取り上げられたとある。すごい。番組名は書けなくても、経済番組で紹介されたくらいのことは言えるはずだ。
他社との差別化ができていないから、給与をはじめとした諸条件による過当競争に巻き込まれてしまうのだと思う。
有名ブランドにも製品が採用されている事実は、技術力や会社の信頼性に対する何よりの証明になる。
実際、少しの給与の違いなら、より良い仕事・よりメジャーな仕事をしたいと思う人も、世の中には多いはずだ。
高級ブランドとの仕事やメディア露出など、強力なカードを持ちながらそれを封印して戦うのは、飛車角落ちのようなもので、余計なお世話ながら大変な損をしていると思ってしまった(この事実を表記していれば、人が来ないどころか、もっと優秀な人の目にもとまるかもしれない)。
採用広告文を書いている身として、給与が重要な要素であることは否定しないけれど、一方で金こそ全てと思って転職活動している人は少数派だとも感じている。
リアルな転職活動においては、勤務地や給与、休み、仕事内容、会社の知名度、自身の業務スキルとの兼ね合い、働く人たちと上手くやっていけそうか、等々、多くの要素が複雑に絡み合って、ある一社に応募するか否かが決定されている。
「給与が低いから採用できない」は、「金がないからモテない」と同じ理屈だ。
人材採用を、ある一側面からしか見ていないのだと思う。