ドライな職場で、ウエットな人間関係を築くのが最善だ。
安定の部分は無視して、「ウエット」の部分について意見を言いたい。
学生たちはおおむね、歴史や伝統のある企業で働きたいと考えており、同僚とプライベートでも仲良くするような、一体感のある職場が理想だと考えていることが分かった。
就活生がウエットな職場を求める背景には、気の合う仲間と楽しく働きたいという想いが秘められているような気がする。
だとすればウエットな職場であることは、まったく不要な条件だとお伝えしておきたい。
これは実際に働いてみないことには理解しがたい感覚かもしれないけれど、ドライな職場に入って、そこで知り合った気の合う人たちとウエットな人間関係を築くことは難しくないし、とても楽しい。でも、その逆は地獄であるということだ。
ウエットな職場では飲み会も半強制参加だし、歓送迎会もバンバンやる。チェーン店でまずい酒とまずい料理で一人3500円?花束を買うからプラス500円で合計4000円?
ほかにも、出産、結婚、誕生日、昇進、旅行のお土産・・・。社員数が少ない会社ならいいかもしれないが、就活生が希望するような、そこそこの規模のオフィスでこれをやられたら大変だ。
参加しなければいい??
冗談じゃない。
同調圧力という言葉を検索してみて欲しい。
ドライな職場は、あなたにドライであることを強要しないが、ウエットな職場は、あなたにもウエットであることを求めてくる。仲の良い職場は、仲の悪い職場よりステキだと思う。でも、ウエットな職場にも、負の側面があることは知っておいたほうが良い。
ところで就活生は、ドライな会社のことを、社員同士の仲が悪い会社だと勘違いしていないだろうか。仲良しとチームワークは別だし、どんなに仲のいい職場でもつまんない仕事はつまんない。就活生が探すべきはウエットな企業ではなく、みんなが仕事を楽しんでいる企業だろう。
仕事終わりに気の合う仲間と学生時代は行けなかったような、ちょっと美味しい店で仕事やプライベートの話をゆったり楽しみたい。休暇を使って一緒に旅行に行きたい。
もしあなたの描くウエットな楽しみ方が上記のような意味であるなら、ドライな会社を選んでもまったく問題ない。
ウエットな職場には良い人が多いようなバイアスがかかって見られがちだけど、ウエットな会社にも、ドライな会社にも、同じような割合で気の合う人と合わない人はいるものだ。
だったら、
ドライな会社に入って、自分が本当に付き合いたい人たちだけと深い付き合いをするのはどうだろうか。僕は悪くない選択だと思う。
もちろん世の中の会社をウエットとドライの二元論では語るのは無理だ。その中間に位置する会社が圧倒的に多い。ただ、企業選びをする際に、ウエット寄りの会社の方が「高評価」だと無条件でカウントするのは、大変なチャンスロスになるということだけは、知っておいて欲しい。