社会人も楽しめる、ユニークな新卒採用サイト。 ◎超厳選4サイト+余計な一言 (2017年度)
3月に新卒採用が解禁になり、そろそろ1ヶ月。
近頃はリクナビやマイナビなどのナビサイトに依存しない採用をしよう、という風潮も高まってきており、各企業が持ち味を生かしたユニークなリクルーティングサイトを立ち上げることが増えてきました。
この新卒採用サイト。
ぼくは職業がらあれこれ検索して、いくつも新卒採用サイトを巡回しています。
そんな中で、ぼくが「これは一般の方が見ても面白いんじゃないか」と思った採用サイトをいくつかご紹介しようと思います。
日本一豪華な、就活生への「先輩からのメッセージ」。
みなさんご存知、ホリプロです。
石原さとみや綾瀬はるかが所属する超有名事務所。
この採用サイト、何がすごいって、採用サイトにありがちな「先輩から就活生に送るメッセージ」の内容が豪華すぎるんです。
就活生に語りかけるのは、こんな方々。
そう。就活生にエールを送るのは、先輩というか、タレントさんです。
しかも超メジャーな看板タレントさんが就活生に「ホリプロって良いよ」って語りかける。業界を志望する学生にとってはもちろん胸熱だろうけど、無関係のいち野次馬としてもこれは面白い。レア映像です。
ほかにも「さまぁ~ず」や「松山ケンイチ」など、そうそうたるメンバーからのメッセージを観ることができます。
圧巻です。すごいですね。
芸能事務所のポテンシャルを、これでもかと前面に押し出したコンテンツ。
ぶっちゃけ、パッと撮った数分の映像をYOUTUBEにアップロードしただけなんですけどねー。
こんなお手軽コンテンツも、タレントさんのパワーでめちゃめちゃ魅力的に見えてしまうからずるい。これはなかなか他社には真似できません。反則だよね(笑)
へたなビジネス書より、よほどためになる。
こちらも有名企業。言わずと知れた、電通です。
広告業界を志す人なら憧れの企業ですよね。
まずはこちらの画像をご覧ください。
これは採用サイト内にあるコンテンツなのですが、この小さなサムネールの一つひとつが、電通が手掛けた広告プロモーションの事例紹介ページにリンクされています。
たとえばその一つをクリックすると、
こんな感じのページが出てきます。
話題になっているauのテレビCM。
その企画について解説されています。
この手の制作秘話って、たまに書籍化されていたりもしますが、ここまでバリエーション多くたくさんの数が紹介されているのは見たことがありません。就活生でなくともビジネスの企画を考える上でヒントになるエッセンスの詰まった、すてきなコンテンツだと思います。
これも先ほどのホリプロと同様、電通だからできる強力なコンテンツですね。
超クレバーな制作時短テクニックが光る、オウンドメディア!?
こちらも超メジャー企業。南場さんのDeNAです。
こちらのサイトも、それぞれのブロックをクリックすると記事ページに飛んでいくのですが……
な、なんと、様々なWEBメディアで取り上げられた、DeNA関連の既存記事にリンクしているだけ(笑) オウンドメディアっていうか、むしろこれ、単なるキュレーションサイトですね。
ただ、労力をかけずに(新たなコンテンツをわざわざ制作せずに)新卒向けに情報提供している点が、非常にクレバーだと感じました。どの企業も新卒向けのコンテンツを作るのに手間がかかって難儀している中にあって、この発想はシンプルかつ効果的です。
DeNAのように、WEBメディア上でその活動が取り上げられている企業ならではの広報のやり方で、これも並みの企業には真似のできない芸当です。
記事はリンク先の各メディアのプロたちが編集しているものですから、肝心のコンテンツの質の高さは言うまでもありません。ちゃんと読み物として成立しています。
社員の一日を、ノベルゲーム風にゆるーく紹介。
エンジニア、デザイナー、総合職、カスタマーサービスの中から好きな職種を選択すると、その職種の一日をプチノベルゲーム風に体験することができます。
たとえばデザイナーだと、こんな感じ。
作ったデザインのA案かB案かどちらを提出すべきか…。
選択肢が出ます。
たとえばB案を選ぶと…、
なんと作ったデザイン案を先輩が添削してくれます。
ノベル風のつくりで冗談みたいですが、ここで指摘される添削内容はかなりマジな内容で、本当にデザインについて教えてもらっているような感覚を体感できるのが素晴らしいですね。
面白い作りにしていながらも、お仕事について伝える目的をちゃんと果たしているのがすごい!
遊び心を発揮しながら、仕事に対するプロ意識もちゃっかりPRしている。GMOのネット企業っぽい社風が伝わるコンテンツになっています。
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最後に少しだけ、新卒採用サイトについて総評(余計な一言)。
中身スカスカの新卒採用ホームページを作るまえに、人事担当者がすべきこと。
学生たちにPRするために、企業は採用専用のWEBサイトを立ち上げて待ちかまえています。
でも、その多くは薄い先輩インタビュー記事を、流行りのデザインに落とし込んだだけの代物。ガッツリ取材して厚みのある記事に仕上がっているWEBサイトも一部ありますが、広く採用サイトを見渡すとそんなサイトはごく一部の企業だけです。
採用サイトに時間と金をたっぷり投入できる大手企業だけが、就活生が読むに値するコンテンツを提供できている状況です。
中小企業はWEBサイトという土台を作るのが精いっぱいで、肝心のコンテンツ制作にお金と時間と労力をかけることができません。
求人屋さんやWEB屋さんに「採用するならホームページくらい持っておかないと!」と煽られてとりあえず箱だけ作って満足している、残念な企業のなんと多いことか。
はっきり言って、就活生はへたな社会人より忙しい。
中身スカスカの採用ホームページなんて見ている暇はないのです。「この先輩インタビュー、さっき見た他社のサイトにも似たようなこと書いてたな」とか思われているんです。これじゃただの時間泥棒です。
企業はそんなハコモノに資金を投入するくらいなら、その前にまず、バカ高いお金を払って掲載したナビサイト内の情報量をモリモリ更新して充実させてください。費用は0円で、空いた時間にいつでもできます。
仮にそこで更新するネタがなくて困るようなら、採用WEBサイトを作っても、きっと中身はスカスカになることでしょう。