書籍の『帯』の重要性を、Amazonが理解できないのは仕方がない。
この本をご覧いただきたい。
何かが足りないと感じないだろうか。
別の本を横に並べてみれば、
一目瞭然。
そうだ。
帯がない。
写真の本は、HTK48の指原莉乃さんの『逆転力』。
実はこの2冊。どちらもAmazonで購入している。
しかし、たかみなの本には帯がついており、さしこの本には帯がついてなかった!!
なんでやねん!!!!
担当者でてこいやぁぁぁぁ!!!!
とクレームを入れる勇気も暇もないので、まぁいいかと諦めることに。
ちなみにAmazonの商品画像はこれ。
まぁ以前からAmazonで本を買うと、見本の写真には帯がついているけど、届いた本に帯がないことはしばしばあった。
Amazonの書籍に帯がついていないという事態が発生してしまう裏側には、ネット書店ならではの価値観の相違があると思う。
Amazonは、本の価値は中身(情報)にあると思っている。
Amazonは自前の端末「Kindle」を拡販し、電子書籍を率先して販売している。
本という実物に対してのこだわりはない。有用な情報が書かれたテキストならば、それが価値だと思っているのだろう。
そんな理由から、帯のビジュアルやキャッチコピーまで含めて商品であるという認識が薄いのではないか。
読めりゃいーじゃん、が電子書籍の価値観なのだ。
だから、本体が無事に届きさえすれば帯の有無などどうでもいい。
そんな些末なことより、すこしでも速く配送することにAmazonは興味がある。
そもそも帯とは何のためにあるものか。
帯の目的は本を売ることにある。
パッと見ではわからない本の中身について、魅力を伝えるキャッチコピーや著者のビジュアルを配置することで、消費者に興味喚起させるのが狙いだ。
そのバリエーションは様々で、本のなかから象徴的な一文を引用したものもあれば、著名人の推薦文が書かれているものもある。
煽りに近いような攻撃的な宣伝文句が書かれているものもある。
数多ある中から、一冊の書籍に注目させ、興味を喚起し、手に取ってレジまで来ていただく。この一連の流れを促進するべく、書籍には帯が巻かれている。
帯は、本との偶然の出会いを生む。
本屋さんにいくと、まずは自分の求めるジャンルのコーナーを覗く。
平積みされた本をざっと眺めて、興味をひかれた本をパラパラと立ち読み。面白そうなものが見つかったら購入する。
だから、書店では売場の中でまず目につくことが大切。その際パッと一目見て、中身についての魅力が伝わることも大切。
帯には本との偶然の出会いを促す力がある。
実際、帯の推薦人のほうに興味があって購入した本も多い。帯のキャッチコピーに惹かれて購入した本もある。たまに中身とキャッチコピーがずれていて、期待外れに終わることもあるけれど、ハズレも含めて読書の楽しみだと思いたい。
一方で、Amazonでの本の買われ方は、書店での買われ方と全然違う。
Amazonでは、ランキング順に本が並べられている。キーワード検索でズバリそのものを指名買いする人も多い。レビュー記事に貼られたリンクから、飛んでくる人もいるでしょう。
そもそも帯で宣伝する手法は、書店で販売されることを前提に考案されたもの。ネット書店では、本の販売ページを開けば補足情報はいくらでも見ることができる。帯なんて付けなくても、いくらでも情報を書き足すことができる。
リアル書店に比べると、帯が与える販促への影響が小さいのだ。
書籍の帯はデザインの一部。初回特典と同じくらい重要!
個人的にはそう思う。
本が好きな方なら、賛同していただけるのではないだろうか。
Amazonに限ったことではないが、ネット販売店では初回特典については丁寧にその有無が記載されている。でも、書籍の帯の有無には触れられていない。
初版ではないために帯が付かないのであれば、その旨を記載していただけるとありがたいのだけどなぁ。どうしても帯が欲しいときは、書店にいって探すこともできるわけだから。帯がないなら、紛らわしいので見本写真からも帯を取り除いてもらいたい。
今回の一件で、Amazonは本を買うのに便利な店ではあるが、本屋ではないことを改めて思い知らされた。Amazonには本に対する愛がない。
まぁ、こんな愚痴を言うと、都合のいいときだけリアル書店を頼るんじゃねーよ、と本屋さんから突っ込まれそうだけど。