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社会はあなたが思っているほど、コミュ力を求めていない。

突然だけど、

ぼくがよく行くセブンイレブンには篠田麻里子がいる。

IQUEEN Vol.10 篠田麻里子 “SECRET

正確には篠田麻里子っぽい雰囲気の店員さんがいる。

 

その篠田麻里子はとっても不愛想で、いつも無表情な感じで接客している。

でも、コーヒーの蓋が切れかけていたり、レジが立て込んでいるときに、いち早く気が付いて対応するのも篠田麻里子なのだ。たまに見せる微笑にホッとさせられたりもする。

 

接客業は、笑顔でハキハキとしている愛想の良い人がよしとされている。

でも、実際のコンビニを見渡してみると、活躍している人たち全てが必ずしもそうではない。

飲食店でも、理想とされる人物像に本当に合致している人は3割、4割いるだろうか。

 

では、オフィスではどうだろう。

朝礼で全社員が起立して、元気よく社訓を読み上げる。でも、背筋の伸び方は人それぞれだ。声の大きさも違う。

明るい表情をしている人もいれば、暗い表情をしている人もいる。

 

マニュアルや行動規範によって、表面上は均質な行動をとっているように見えても、個人個人にフォーカスすれば、その取り組み方は多種多様なのだ。

 

企業の人材への考え方は変わりつつある

企業が示す行動規範に対して、個人の再現度にはバラつきがある。

ただ、100%行動規範にそっているから100点満点で、そうでないから即減点になるわけではない。

 

最近は、社員を評価するいわゆる「評価軸」も多様化している。

企業が求めがちな人物、明るくハキハキしている人間が100点満点で、そうでない人が0点という見方はされにくくなっている。

 

明るくハキハキしている人にも弱点はある。

仕事の精度にムラがあったり、一つのことに継続して取り組むことが苦手だったり。ある性質には、かならず正の側面と負の側面がある。

 

人材不足の景況感が続くなかで人材活用に対する考え方は、いま大手企業を中心に着実に変化しつつある。

 

大切なのは適材適所の考え方。

さらに言えば、それぞれの個性をお互いが正しく理解して、できない点をけなし合うのではなく、得意な部分を活かして協力し合うことが大切だ。

 

人材採用・人材活用の現場に身を置いていると、そんな社会がすぐ目の前に、もう手の届くところまでやって来つつあると感じる。少なくとも風は吹いている。

 

個性を互いに認め合うことで、強いチームワークが生まれる

たとえば、ガイアの夜明けで以前に紹介されていた「エブリイ」では、従業員のタイプ診断を行い、誰が何タイプかという情報を従業員内で共有している。

 

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※エブリイのホームページより

 

オラウータンタイプは職人気質で、論理的思考や一つのことを考える集中力がある。一方で、理屈っぽく感情が表に出てこない。考えていることが分かりづらいという短所もある。ぼくは多分このタイプ。

 

ゴリラタイプは安定志向。事前準備やルーティンワークなど縁の下を支える役目をこなすことが得意。一方で、自己主張が苦手な側面もある。いわゆる指示待ち人間と揶揄されるタイプでもある。

 

チンパンジータイプは社交的で積極的。新しいことに対する挑戦心にもあふれている。一般企業でよく求められるのがこのタイプではないだろうか。コミュ症の対極にある存在と言ってもいい。

 

しかし、このタイプにも短所はあり、それは攻撃的であること。そして、飽き性であること。

3年で辞める若者が社会問題化しているけれど、チンパンジータイプの社員ばかりを採用していたら、そりゃ無理もない。

 

次から次へと課題を与えていかなければ、退屈を感じて出て行ってしまうのは、このタイプの社員の特性を鑑みれば、ある意味で当然とも言える。

社員の早期離職問題は、チンパンジータイプを好んで採用する企業の自業自得でもあるのだ。

 

ボノボタイプは空気が読める人間力がある人。

こちらも企業に人気の性質の一つではないだろうか。思いやりに長けている一方で、感情に流されやすく、依存心も強い。

 

この手の社員の割合が増えすぎると、企業活動のビジネスライクな側面とかみ合わず、マネジメントに苦労するシーンが増えてくることだって考えられる。

 

少しぼく個人の主観も混じってしまったが、エブリイでは、このように人間を大まかに4つのタイプに分類することで、お互いの考え方や行動のクセを理解しやすい環境を整えている。

 

多様な人材がうまくチームプレーできるような仕組みを作っているのだ。多様な人材が活躍できる職場作りをしていると捉えることもできる。

 

ネアカ人間ばかりが、経営者や役員になっているだろうか?

ネット界では「社会=ネアカ人間が支配する世界」 という偏見があるようだけれど、企業の人材に対する考え方は、確実に進化してきているのが現状だ。

さきにお伝えしたように、特性により発揮できる能力は様々である。

 

それに実務面でも、底抜けに明るい性格の営業マンが苦手な取引先の担当者だっているだろうし、進取性の高いことよりも手堅い提案をして着実に実務をこなせる営業マンを好む担当者だっている。

 

ようは必要なときにそのように振る舞える柔軟性さえあれば、多少性格が暗かろうが企業としてはウェルカムなのである。

だから、面接の場ではそのように「振る舞えるか」が見られていると思えばいい。

 

その人の本質がどうかではなく、ビジネスシーンで、好ましいとされている振る舞いが可能かどうかをチェックされているだけ、と考えると気が楽になれる。

 

コミュ力のあるネアカ人間が本当に優遇されているならば、社長や役員がネアカ人間だらけになっていなければおかしいが、実際はそうではないように思う。

 

たしかに明るく振る舞うことができる人は多いけれど、底抜けに明るくコミュニケーション力が高いかと言えば疑問だ。

 

 

新卒採用などでは、合格基準が見え辛いために、明朗性やコミュ力で合否が決定しているように考える学生は多い。

 

でも実際のところは、社風に合うかであったり、長く勤めてくれそうか、であったり、はたまた直属の上司との相性などという、超俗人的な理由で当落が決められているケースも少なくない。

 

いまは社外に公表できないが、ゆくゆくは○○地方に出店の可能性があるから、その地域の出身者を採用しておきたい、なーんてこともある。合格基準なんて、まー、わからない。

 

求める人物像、とかいう幻想を追いかけて、得することなんてないのである。

 

実際、某セブンイレブンの店舗は、暗い接客しかできない篠田麻里子を採用することで、お店の運営が多分、円滑にまわっている。

 

少なくとも、とびきりの笑顔で底抜けに明るい対応をしておきながら、お箸を入れ忘れる店員なんかより、ぼくはよっぽど篠田麻里子の不愛想な接客のほうが好きだ。

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