求人広告会社の生産性がガタ落ちな理由。
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元の記事では10年前と現在を比較して、スマホでいらん事するお客が増えたせいで、店のサービスは何一つ変わっていないにも関わらず、店舗の経営が圧迫されていることが示されていた。
求人広告の業界にも似たようなことが起こっている。
数字は分からんので適当だけど、時代や環境が変わって働く人への負担は確実に激増している。
こんな感じだろうか。
ざっくり書いてみた。
[10年くらい前]
- 営業がお客様に電話をしたり飛び込み営業したりして、顧客を開拓する。
- 営業マンのことを気に入れば、広告を発注する。
- 施策や商品ルールは少なく、すぐに覚えられた。
- 顧客が営業マンの提案を素直に信じた。
- スムーズに広告が制作される。
- シンプルなレイアウトの広告が多く、比較的、短時間で制作できる。
- 儀礼的な確認を経て掲載される。
- 一部の顧客を除いて、広告のことはプロに任せたら良いという風潮があった。
- 掲載費は適正価格。
- ミスが起こることもあったが、営業が全力で頭を下げればゆるされることも多かった。
- 応募効果がでないときは、次頑張りますといってさらに受注をとることができた。
- 効果を出せれば、次も注文してもらえた。
- 次があるからこそ、時には顧客の要望を飲んで泣くこともできた。
- 熱意を見せれば、比較的息の長い取引が見込めた。
[2016年]
- 営業がお客様に電話をしたり飛び込み営業したりして、顧客を開拓する。
- 同時にリスティング広告などを使って広告も打つ。
- 施策や商品ルールが多く、頻繁に変化するため覚えるのが大変。
- 顧客先では、検討するための比較データの提出を要求される。
- 顧客は営業マンの提案に対して、懐疑的な傾向。
- 値段やデータ、費用対効果を数社並べて比較検討され、コンペの中で1番になれば発注がもらえる。
- 色んな準備運動を経て、ようやく広告が制作される。
- レイアウトは複雑になり制作に時間がかかる。
- 広告にはWEB専用の検索設定なども必要になり、さらに時間がかかる。
- 様々な広告事例をもとに、顧客から高い要求が飛んでくる
- 大量の修正を経て、ようやく掲載。
- 掲載費は右肩下がりに落ちる一方。しかし手間は右肩上がりに増えている。
- ミスが起こった場合は、補填はほぼ確実。補填できなければ先方の担当者は面子丸つぶれ。
- 原稿が細かくなり、ネットの検索設定も複雑化し、ミスが起こりやすくなっている。
- しかし、単価が下がっているので、一つの原稿に時間をかけることはできない。
- 時間をかけられないので、いい加減な求人広告が大量生産される。
- 応募効果がでなければ、即切られる。別の業者にバトンタッチ。
- 次に期待して顧客の無理目な要望を受け入れる。
- しかし残酷なことに、たとえ効果が出ていたとしても、他社が割引などの施策を強化してきたら、あっさりスイッチされる。
- そもそも担当者も頻繁に辞めるので、関係が長続きしようがない。
- やってらんねーYO
*
ざっくりだけど、業界の疲弊状況はこんな感じ。
新規参入もどんどん増えて、デフレが止まらない。にもかかわらず競争激化で、広告制作の手間暇は増え続けている。牛丼戦争にシンパシーを感じる。
広告制作が複雑になるということは、バイトがミスなく処理できる範疇を越えた仕事が増えているということだ。でも、売上は落ちているので社員は増やせない。
いかにして手を抜くかを考えなければ、 利益が出ない構造になりつつある。あるいは立場の弱い者(外注ライターやカメラマン等)を叩きまくるしかない。
つまり言いたいのは、次に電通の不正の二の舞が起こるのは、求人業界かもしれないよってことだ。