就活中学生。
就活=大学生というイメージがあったので驚いた。
いまどきは、なんと既に中学生の時点から就職活動が始まるというのか。
まさに、就活の過熱感ここに極まれり、である。
就活は中学生から始めた方が有利
もちろん、中学生がリクナビやマイナビに登録して企業にエントリーするわけじゃない。
でも、自己分析や自分の性格について、予め中学生の段階で考えておくことは有用だ。
就活を見据えた目線で進学する高校、そしてその先の大学をイメージできれば、いざ大学3回生になって就活をスタートしたときに、慌てることはなくなるだろう。
それに目先の得手不得手で文理を選択するのではなく、将来的にどんな仕事に就きたいかをきちんと考えた上で
「自動車をつくりたいなら理系だね」
「医者になりたいなら理系だね」
「IT関係なら理系だね」と、
とても合理的な選択ができるのは素晴らしいことだと思う。
iPadでリクナビを見ながら、興味をもった企業についてディスカッションする
生徒たちは、実際に掲載されている企業の紹介文を読んで、どんな企業や仕事に興味をもったかをグループで話し合って、その結果を発表する。
ファシリテーター役の先生は、意見を集約したのちに、その職業ごとの「職への就きやすさ」「生涯年収」「勤務環境」などについて、情報を提示する。
・興味を持った企業・仕事=理想
・実際の働き方や収入=現実
この2つを理解したときに、それでもなお最初に発表した企業や職種に就きたいかを、先生は生徒たちに問う。
意見が変わる生徒もいれば、それでもやっぱり…と初志貫徹する生徒もいる。答えは重要ではない。自分の将来について考えるプロセスにこそ価値がある。
なかには親の職業が否定されたような格好になり、ショックを受ける子どももいる。
しかし、自分の子どもに豊かな暮らしをさせたいと考える両親からはおおむね好評で、当初懸念されていた父兄からの反対の声はほとんどあがらないようだ。
志望企業に向けてESを書いてみる
魅力的なES作成には作文力が欠かせない。
似たような経験をした学生であっても、文章表現力の差で通過するESにもなれば、落とされるESにもなる。
先生は、生徒が書いたESをもとにして模擬面接を実施。
生徒の想いがどれだけ、文章に落とし込まれているかをチェックして文章添削を行う。合わせて、面接時の言葉遣いや話し方などについても、改善指導を実施する。
中学生レベルの書くESと思って侮ることなかれ。なかには、へたなFラン大学生よりも、よほどしっかりとした大人顔負けのESを仕上げてくる生徒もいる。
ときどき、親が企業で人事担当をしている関係で、異様に完成度の高いESを提出してくる学生もいるらしい。
夏休みの宿題の作文と同様、見ている親は黙っていられないのだろう。ましてや将来を左右するESを書いているとなれば、気が気ではないのも致し方ないことだと思う。
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ネットサーフしていたら就活中学生というフレーズをみかけて、上記のような妄想をしてみたが、冷静に読み直したら、ふつうに「就活中学生=就活中の学生=大学生」のことだった。
まじめに読んでくれた方、スンマセン。
いまどきの子どもは、13歳から「働く」について考えている
このまま終わっては、ただの虚構記事になってしまうので一応補足しておくと、上記の内容とは違うが、実際に全国の多くの中学校では総合学習の時間に「職場体験学習」が実施されている。
地元の企業や商店などで、お仕事体験をするのである。
ぼくの時代はこんな授業なかった気がするが、それだけ「就職」「働く」ということが社会問題になっているということなのだろう。
企業もこういった活動を積極支援しており、たとえばリクルートではCSRの一環として「タウンワークトライワーク」という活動を行っている。
全国の多くの中学校でキャリア教育の一環として実施されている「職場体験」学習。この体験が中学生たちにとって、「働くことはワクワクすること」と希望を感じ、より深い気づきを得るものとなるよう応援するため、2007年より実施しているのが、キャリア教育支援プログラム タウンワークトライワークです。
プログラムでは、中学校の総合学習の時間で実施されている「職場体験」の前に従業員が出前授業を行い、生徒の『TOWNWORK 中学生編集版』作成をサポートします。
職場体験をした子どもたちの声が、特設サイトに掲載されていた。
一部をご紹介するとこんな感じ。
世の中には職業がたくさんあるから、今は、やりたいことや、色々な経験をしないといけないと思った。
どんなに小さな仕事でも必ず誰かのためになっていることがわかった。僕たちはその人達に感謝しなきゃだめだと思った。
(´;ω;`)ブワッ
”どんなに小さな仕事でも、必ず誰かのためになっている。”
大人がいうとチープに聞こえるが、中学生がいうとキラキラと輝いて見えるから不思議だ。
でも切ないのは、この子たちが大学生になりいざ就職活動をはじめると、目の色かえて大手企業にエントリーするようになることだ。
13歳から21歳までの7年間に、何かが決定的に変わってしまう。
どちらも同じ就活中学生なのにね…。