ナンパが苦手な人は、採用担当に向いていない。
ひさびさに書きますよ。
人材について。
最近、ニュース等々でもご存知の通り、新卒市場は超売り手市場です。
学生たちは、回転すしのように悠々と内定の載ったお皿を品定めしている状況であります。
人事担当者たちの見当違いな要望
そんな2017年度の新卒採用を踏まえて、いざ来年に解禁される2018年度の新卒採用では、企業の担当者の方からこんなことをよく言われています。
「母集団がねー。集まらないんですよねー。母集団さえ集まれば、説明会に来てくれさえすれば、学生を口説くのは難しくないんですがー。」
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おまいさん方は一休さんかと(´・ω・`)
「将軍様、虎を追い出してください。将軍様が屏風から虎を追い出してくださいましたら、私が見事、虎を捕まえてみせます。ささ、早くお願いします!将軍様!!(ドヤ顔」
何が言いたいかというと、そもそも「母集団形成」という、このご時世に土台無理な前提を持ち出して、「チャンスがあれば結果をだせるのに、チャンスを作り出せない業者が悪い」感を出している、そのスタンスがいただけないのです。
このご時世、学生の母集団を作りだすのには限界がある
新卒採用の広報が3月1日に解禁されて、大手企業の内定出しが6月1日からはじまります。前後のバッファをみれば、実質2ヶ月ちょっとで選考をやり切らないといけないわけですよ。
その間に学生はエントリーシートを出したり、合説に参加したり、企業を訪問したり、面接を受けたりしなければいけない。しかも何社、何十社ぶんも。
企業を研究する時間が十分にとれないんです。
学生にのんびりナビサイトを見てる時間はないのです。
だから学生は有名な企業や大手や自分が興味のある業界から、よさそうな企業をピックアップしてエントリーします。
昔のように、
「100社エントリーしました!!」
なーんて学生は、いまや天然記念物です。
どのタイミングで統計をとるかによっても変わりますが、だいたい30~50社のエントリーが一般的。
優秀な学生ほど、しぼりこんでエントリーします。なぜなら、それで十分に内定がとれてしまう売り手市場だからです。
こんなご時世に、「母集団さえ集まればー」という主張をするのは、人事担当者としてまったくもってナンセンス。
自分は学生を口説くのが上手い、という勘違い
売り手市場にもかかわらず、説明会で学生と話をするとすんなり選考に進んでくれるものだから、舞い上がって自分のトークスキルを過信してしまう人事担当者が続出しています。
しかしそれは大きな間違い。
そもそも、たいした広報活動をしていないにも関わらず、エントリーしてきた学生という時点で口説けて当然なのです。
「ナビサイトに掲載していたらエントリーが来た」という状況は、恋愛でいえば、異性の方からご飯に誘ってくれているレベル。
ナンパの100倍くらい付き合える可能性は高いのです。
スーパーEASYモードです。
それを口説いたとは言いません。
できる人事担当者は、果敢に攻めているからフラレ率も高い
反対に、できる人事担当者の口癖はこうです。
「どうにか学生と接点を持てても、なかなか志望度を高めることができないんですよねー。先輩に引き合わせたり、マメに連絡をとるなど工夫はしてるのですが。。。」
自社の水準と比較して、それよりもレベルの高い「多少、高望みの学生」に対して、果敢にアタックしているのです。
だから、こうした人事の方は、なかなか口説けないことを課題に感じています。
問題は母集団ではないのです。戦況を遠くから眺める軍師気取りは一切ありません。目の前の一人ひとりの学生に意識を集中しています。
口をあけて母集団が集まるのを待っているのではなく、いかに優秀で自社に興味をもってくれる学生に「会いに行くか」を懸命に考えて行動されています。
しかし、自社にとってより良い人材を獲得しようとするあまり、結果的に、フラレ率は高くなってしまっています。
まとめ
人事の方が業者を選定するように、営業マンたちも人事担当者を品定めしていることをお忘れなきよう。
彼らもビジネスでやってますからね。
モチベーションの低い人事担当者に時間だけ食われるのは勘弁願いたいのです。
上記のようないい加減な担当者に熱心に提案しても、大抵は値段とか無料サービスとかで決められてしまうので、各社とりあえず安くすることにしか興味がなくなります。
企業経営者の方は、自社の採用担当者が「業者のせいにして手抜きしてないかどうか」、今一度、きちんとチェックすることをお勧めいたします。
せっかくコストをかけて新卒採用するのですから、将来の屋台骨になるような素晴らしい人材を獲得していただきたいと思っています。
本気のスタンスで採用活動していただいた方が、採用される学生にとっても幸せな就職になりやすいですからね。