マックカフェに並ぶ阿呆。
ある日の昼過ぎごろ。
自分へのご褒美で、ひさびさにコッテリなラーメンを堪能した帰り道。
ご褒美ついでに、コーヒーでも買って帰るか、と思った。
でマックカフェに飛び込んだら、そこには長蛇の列、とまではいかないが、うんざりするくらいの人、人、人。
客が集中した上に、めんどくさい注文をする客がいたらしく、マニュアル外の対応に戸惑っている様子だった。
コーヒーのクーポンはないかなぁ、とスマホをいじりつつ、ふと、隣接するマクドナルドのカウンターに視線を向けると、なんとガラガラではないか。
コーヒーだけを買うのだから、マックカフェでなくては!
と律儀に整列する人々を置き去りにすることに罪悪感を感じつつも、ぼくは列を離れてマクドナルド本体のカウンターに向かった。
1秒も待つことなく、0円のスマイルが迎えてくれる。
読み取りが不安定ぎみな「かざすクーポン」も珍しく一発で通り、目当てのコーヒーをすんなりと購入することができた。
通りすがり、コーヒーを飲みながら行列する人々を見る。
あいかわらずスマホをいじっている。
日本人の生産性は低い。
という言葉が頭をよぎった。
スマホをいじって行列する姿に、日本人の精神性を目の当たりにしたような心地がした。
つまり、彼らは「どうやれば並ばずに済むか」と発想しないのだ。
ハナから「いかに退屈せずに並ぶか」という発想に向かう。
前提を受け入れるのが得意なのだ。
下請け根性と言うべきか。
日本人の多くは、自分の価値を低く見積もったところから、思考をスタートさせる癖がついてしまっているのかもしれない。
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「ご注文をどうぞ!」
「えっと、かざすクーポンでお願いします」
くだらない妄想にふけっていたら、ぼくの注文の番がまわってきた。
コーヒーを待っている間、マクドナルド本体に目を向ける。
やはりガラガラだった。
もしかして、と思う。
他の行列している人も、ぼくと同じようなことを考えていながら、やっぱり動けないでいたとしたら、、、
誰かが率先して、流れを断ち切らないといけなかったんだろうなぁ。
今回はプライベートのことで仕事の生産性と直結しないけれど、仕事の場面でも状況に流されて、非効率な方法を選択してしまっているのかも、なんてことを思った。