GOD WARS 日本神話大戦 PS4 感想|スキル性能が超絶すぎる、ダイナミックなSRPG
ここ最近、ずーっとやりこんでいました。
「GOD WARS 日本神話大戦」。
こちらのゲームは3Dマップのシミュレーションゲームです。
ターン制でキャラクターを動かして、相手陣営を倒すという、タクティクスオウガとかディスガイアとか、そういうのと同じ系統のゲームですね。
戦闘のバランスがぶっ飛んでいるのですが、全体的にぶっ飛んでいるために、総合的にはバランスがとれているという稀有な作品です。
- 職種がたくさんあって育成するのが楽しい
- フリー戦闘の割合が多すぎて、バトルが単調
- スキルが職業にひもづいているために、カスタム性をやや損なっている
- ユニットのバランスが崩壊している
- 局所的にバランス崩壊しても、ゲーム全体のバランスはとれている不思議
- まとめ
職種がたくさんあって育成するのが楽しい
キャラ固有の職業を除いても、全部で20種類近くあります。
職種ごとに個性があって、どう使いこなしてやろうかとSRPG好きの闘志に火を付けてくれるんです。
初期は戦人(いわゆる戦士)や法術士(いわゆる魔法使い)など、単純なスキルを扱う職種しかないのですが、職種と職種の組み合わせで、新しい職種が解放される仕組みになっています。
2職種以上の掛け合わせで解放される職種は、状態異常を引き起こす特殊なスキルを使えるなど、トリッキーな運用を求められることが多く、使いこなす面白みもあります。
組み合わせによって、急に輝きだすスキルもあってワクワクしながら戦略を練っていました。
ただ、裏を返せば、攻略情報を見てしまうと一気につまらなくなってしまうと思います。
この職種とスキルの試行錯誤が、一番面白いところなので。
フリー戦闘の割合が多すぎて、バトルが単調
残念ながら良いところばかりではありません。
おおざっぱに説明すると、本作は「ストーリー⇒イベント戦⇒依頼請負(フリー戦闘)・キャラメイキング⇒ストーリー…」という繰り返しで進行します。
で、難点は、フリー戦闘のところが異常に多くて単調なんですね。
ボリュームは、イベント戦1に対して、フリー戦闘が5~6くらいあるイメージ。
感覚的には、ちょっと話が進んだら2~3時間くらいはフリー戦闘して、またちょっと話が進んだら2~3時間くらいフリー戦闘している、みたいな構造になります。
SRPGで比較すると「スパロボ」はフリー戦闘ができません(最新作は知らないけど昔のはできなかった)。
すべての戦闘が「本番」なんです。だから戦いに常に力が入ります。
対して本作は、作業的になりがちなフリー戦闘の割合が異常に多いので、どうしてもゲーム全体として単調に感じてしまいがちです。
ちなみにフリー戦闘は、めんどくさければ全部飛ばしてもいいのですが、これを飛ばすとほぼ確実にキャラが育成不足に陥ります。
なぜなら、フリー戦闘の割合の方がイベント戦闘よりも圧倒的に量が多いから。
飛ばしていい仕様のフリをしておきながら、その実、フリー戦闘をやることが前提にゲームデザインされている点に不満を覚えました。
これはプレイヤーのわがままだけど、筋書きを上手に描くことでイベント戦を多めに挟んで欲しかったです。そのぶんフリー戦闘を削ればいい。
割合はイベント戦6に対して、フリー戦闘1くらいで丁度良かったと思いますよ。
スキルが職業にひもづいているために、カスタム性をやや損なっている
やや、と書いたのは致命的とまでは言えないからです。
何が不満か説明するために、先に本作の職業の仕組みを説明します。
本作では1キャラに対して同時に3つの職種を設定できます。
そのうち1個は固定で変えられません。キャラクタ―固有の職種です。
残り2個がメインとサブとに分かれていて自由に設定できます。
違いはメイン職種に設定した職業は、レベルアップ時のパラメーターの成長率に影響を与えるのと、スキルポイントが多めにもらえるところです。
このサブ職種でもメインに比べると少ないながら、スキルポイントがもらえてしまう点が、親切なようで、逆にストレスを増大させていたように感じます。
最初に育成が楽しみと書いたように、僕は早くキャラクターを育てたいんです。
だから、成長途上の職種をメインとサブに割り振ります。
ところが、そうするとマスターした職種のスキルはもう使えないんですよ。
ファイナルファンタジー5で、黒魔法を覚えたら白魔導士にも黒魔法のアビリティをつけられるじゃないですか。本作ではそれができない仕様になっています。
マスターした職業のスキルを使うためには、サブでもいいからその職種を付けておかないといけません。つまり、マスター済の職種のスキルを使いたければ、スキルを稼ぐための枠を1個取られてしまうわけです。
結果、何が起こるかと言うと、フリー戦闘では育ち切っていない中途半端な性能のキャラクターで四苦八苦して戦い…、ボス戦などパフォーマンスを出したいバトルのときに、いちいちマスター済の職種を設定しなおす…という(汗)
ボス戦向きの職業は決まっているので、これはいたしかたないですね。
ただ、非常にめんどくさかったです。
ユニットのバランスが崩壊している
なぜか法術を使った方が経験値が貯まりやすい仕様になっているために、法術メインのキャラクターのレベルとスキルがガンガンあがっていきます。
ふつうにプレイしているだけで、キャラクター間にものすごい格差が生まれます。
育ちやすいキャラは、ラスボス時にレベルカンスト近くまでいきました。
なかでもカグヤとハナサカは突出していました。
一方で、クマなど一部の近接キャラは育ちがおそくて、どうにもなりませんでした。
隠し要素を除外しても、キャラクターが15名以上仲間になるのに、戦闘には6名くらいしか出せず、非戦闘キャラはほとんどレベルがあがらないために、使うキャラクターがどんどん偏っていきました。
あとステータスの格差もすごくて、近接か法術に特化できるキャラは強いのですが、バランスタイプのキャラはどっちつかずでパッとしない性能にならざるを得ません。
主人公のカグヤだけがどちらも突出して強くて、レベルも上がりやすいために無双状態でした。
あと法術系のキャラと近接キャラの防御性能にあまり差がないわりに、法術のほうが圧倒的な攻撃パフォーマンスを出せます。
近接キャラがスキルで殴って単体ダメージ200出しているところに、法術だと300とか400くらいのダメージが範囲で入ります。
局所的にバランス崩壊しても、ゲーム全体のバランスはとれている不思議
ここまで書くとすごく不満のようですが、実は珍しい方法でゲームバランスをとっていました。
それは何かと言うと、敵の「法術反射スキル」 「法術完全回避スキル」です。
終盤になると、法術を反射してくる敵と法術を完全回避してくる敵が大量に出てきます。
これまでのように「範囲攻撃で一網打尽」が急に封殺されるんです。
ここからまさかの近接キャラ黄金時代の到来ですよw
かと言って、法術キャラが死にキャラになるかと言えば、そうでもないのが良かったところ。
このゲームは状態異常が異常に強いのも特徴で、法術系で育てていると状態異常をメインにしているような職業も使えるようになります。
状態異常って、一般のSRPGなら、成功確率が20%~30%のイメージだと思いますが、このゲームは70%、80%は当たり前に効きます。スキルによってはほぼ100%です。
終盤は、法術キャラの状態異常で敵を封殺し、その隙をついて近接キャラが集中攻撃を浴びせるのがおきまりのパターンでした。
ただし、これは敵側にも言えることで、範囲の状態異常スキルをドーンと決められると、全滅しかけることもあります。いきなり全員のスキルが封殺されたりするんです。
(その一方で、状態異常を100%防ぐスキルもあったりしますがw)
一個一個のスキルが、戦局をあっさり変えてしまう物凄い性能なんですよ。
パッシブの回避スキルも、ありがちな20%UPとかそんなんじゃないですからね。
40%UPとか50%UPとか当たり前のように出せます。
武器の効果や複数職種のスキルなども合わせると、物理がほとんど効かないようなキャラを立てることもできます。敵に囲まれても余裕で耐える術師なども作れてしまうんです。
能力UPのバフも攻撃力や防御力が40%UP、50%UPとダイナミックに能力が伸びます。
なかには初期値の4倍・5倍くらいの値まで出せる組み合わせもあって、工夫次第で強敵をサクッと倒せたりするのも爽快です。
ここが本作の憎めないところで、途中経過は法術が圧勝でバランス最悪なものの、最終的には物理が急成長。一撃必殺の威力を発揮して、範囲の法術と一撃の物理という個性が明確になるんです。
まとめ
実はこのゲーム、他にも仕様のマズイ部分はあって、たとえば棍や斧、槍、剣、小刀、杖、弓、弩など武器が細分化されているわりに特徴が出し切れてないんですね。
小刀は物理も法術も高くて、結果的に杖がオワコン化していました。同様に棍も物理と法術が高いために、槍がオワコン化していました。
あと熟練度UPというパッシブスキルがあり、これのせいで一生スキル枠が1個埋まったままです。
使わなければいいと思われるかもしれませんが、こういう成長促進スキルを作ってしまうと、プレイヤーの選択を狭めてしまうことを、作り手は知っているクセにこういうことしちゃうんです。
ほんとにねー。
いろいろ雑なんです。このゲーム。
でも、最初に書いたようにキャラクター育成が楽しいのと、高性能スキルの応酬になるシーソーゲームのような戦闘。
そして、スキルの組み合わせ次第では、スパロボのような超破壊力の攻撃を繰り出せたりするのも魅力的です。
そして、結果的にゲーム全体としてはバランスがとれていることも素晴らしい。ラスボスがちゃんと強いのも遊びごたえありました。
あと全然触れませんでしたが、ストーリーやキャラクターもSRPGに華を添えてくれる手堅い作りでした。
SRPG好きな方なら、プレイして損のない作品です。