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スカウトは、自分より格下の企業からしか来ないものだと思え。

スカウト

リクナビ・マイナビの他にも、新卒就活サイトが次々と誕生している。

なかには「登録するだけで、企業からスカウトが届く!」といった、甘い言葉で学生を惹きつけている就活サイトも目立つ。

 

しかしこの「スカウト」は曲者だ。

企業にとっては便利な仕組みかもしれないが、新卒学生たちにとってはそうでもないのだ。

 

企業がスカウトを利用する理由

学生からすれば、スカウトは嬉しい仕組みに思えるかもしれない。

しかし、スカウトが来るのは、あなたから見て格下の企業からのみである。

 

その理由は簡単で、企業が「スカウトを好む」のは、その多くが、分不相応な(高望みの)学生に直接オファーできることを魅力に感じているためである。

就活がスタートした直後、学生が憧れの企業に記念受験するように、企業は一発逆転の望みをかけて学生に向けてオファーを送っているというわけだ。

 

自分のポテンシャル限界ギリギリの優良企業に入社したければ、無慈悲にお祈りされることを覚悟で、難易度の高い企業に果敢にエントリーしていくしかない。

 

自分が何に向いているか分からない学生にとって、スカウトは嬉しい仕組み??

そんな風に考える学生もいるかと思う。

しかし考えて見て欲しい。あなた自身が分からない自分の能力を、レジュメを一読しただけの企業が簡単に見抜けるものだろうか。当然、そんなことは不可能だ。

 

僕は私は何に向いているのだろうか。

つい考えてしまう気持ちも分からなくないが、この問いに対する答えは、すでに出ている。

答えは「やってみないと分からない」だ。

 

向いている人を企業が見抜けるなら、早期離職する人はもっと少ないはずだし、無能な中高年を肩叩きして早期退職させる必要もないのである。

 

企業は、こんな基準で学生にスカウトを送っている

企業は、あなたのレジュメを熟読して「おお、この学生は我が社の仕事に適している。将来は幹部候補間違いなしだ!」と考えて、スカウトメールを送っていると思うだろうか。

 

残念ながら、まったく違う。

就活におけるスカウトの基準は、実際はもっといい加減であいまいなものだ。

  • 学歴があえば片っ端から送信
  • 体育会系っぽかったら片っ端から送信
  • 志望業種が合っていそうだったら片っ端から送信
  • 顔が良かったら片っ端から送信

たとえばこんな感じ。

 

企業が自分たちの都合にあう条件を設定して、当てはまる学生に手あたり次第スカウトを送信している。

スカウトに対する学生からの返信率はDMより高いが、それでも数を撃たなければ返信はない(なぜなら高望みの学生にアプローチしているからだ)。

 

リクナビとマイナビから届くスカウトには、注意が必要

特にリクナビとマイナビの2大就活サイトでは、大量のスカウトメールが飛び交っている。

スカウトの種類にもよるが、何千何万単位で一斉送信されることもザラだ。

 

一方で、最近利用する学生が増えているオファーボックスのような逆求人サイトでは、企業が送信できるスカウト数に制限がかかっていることが多い。

必然的に1通のスカウトにかける人事の思い入れも強くなる。

 

もしも丁寧にレジュメを読み込んだ上で、テンプレート感がゼロのスカウト文を送ってくれる企業があれば、業種的にNGでなければ、一度話だけでも聞いてみるのは悪くないかもしれない。 

企業が自分のどこに価値を感じ、興味を持ってくれたのかは、就活を続けていくうえで参考になると思う。

 

※ちなみにリクナビやマイナビにも、1通ごとに送信するスカウトプランはあるようだが、通数制限がないためにスカウト1通ごとの重みは軽くなってしまいがちだ。

 

  

合説や大学訪問、リクルーターにも気をつけろ

スカウトと同じ理屈で、これらの採用手法を講じて来る企業に対しても、学生は冷静に対処する必要がある。

 

その前にすこし、現在の就活市場の状況についても話をしておこう。

スカウトについて考える際にも参考になるので、知っておいて損はないと思う。

 

企業が現在おかれている状況はこうだ。

  • 売手市場によりナビサイトからのエントリーが集まらない
  • 集まったとしても例年にくらべて、学生の質がワンランクダウン
  • 人材業者は、早期に学生と個別接点を持つことを企業に勧める
  • スカウトや合説、大学訪問など直接的なアプローチが大流行

 

なぜ「直接話せば、学生を口説ける」と企業は考えるのか?

これは就活の期間が短縮されたことに端を発している。

以前は大学3回生の冬からスタートしていた就活が、翌年の3月解禁となってしまった。

 

以前の学生は、じっくり情報収集をして自己分析や企業研究を丹念に行って、就職活動に臨んでいた。

事前調査がしっかりなされているため、学生は自分なりのビジョンをもって説明会なり面接に臨んでいたわけだ。

 

学生は主体的に行動し、意思決定をする。目当ての企業から内定が出ればすぐに承諾をした。

逆に、意思がハッキリしているぶん、自分の意に沿わない企業からのアプローチには、見向きもしなかった。

 

いまの学生は、準備不足の状態で合説に行き、面接を受け、何だかよく分からない間に内定をもらってしまう。「どうしてもその企業に入社したい!」という想いが希薄だ。

人事担当者の人柄が良かったとか、説明会の印象が良かったとか、そういった曖昧な動機で、二次選考、三次選考へと進んでいく。

 

最近の若者は、自分が認められている環境でのびのびと働きたいと思っている。いやな言い方をすれば承認欲求が強いという表現になるだろう。

 

そんな背景もあり、学生たちは企業から熱烈なアプローチを受けると、「怪しい…」という感情よりも「嬉しい!」「必要とされている!」という感情が先立ってしまう。

そして、企業からは「押せば何とかなる」と思われているのだ。

 

採用担当者が行う、対面でのスカウト(口説き)には注意が必要

ちなみに人事担当者の中には、明らかに自社よりも良いであろう企業から内定をもらっている学生に対しても「いやいや、当社の方が!」と臆面もなく主張する人もいる。

学生の将来のことなどどうでも良く、自社の利益を優先しているのだ。

 

世間知らずの学生を言葉巧みに騙して入社させてしまおうとする企業がホワイトであるはずがない。誠実な企業は、意外と(他社に入社することを)応援してくれたりもするものだ。

 

  

自分が行きたい企業に行こう、会いたい人に会おう

最初は何が向いているかも、何がやりたいかもわからないかもしれない。

でも、たくさんの企業を訪問して、たくさんの人と話をすることで「この人たちとなら働けそう」「この会社で働きたい」という、気持ちは芽生えてくると思う。

 

恋愛でも同じだが、好きと言ってくれる人と付き合うのと、自分が好きだと思える人と付き合うのとでは、そこに注がれる熱量はまったく違ったものになる。

内定をもらって大喜びするのも、落ちて泣くのも、いまだけ。

こんな仕事探しは、人生で就活の一度きりだ。

 

スカウトをもらって淡々と面接を受けるのなんて、30歳すぎてからでも遅くない。

大学生には「自分がいきたいと思う会社」に、自分の意志でエントリーしてもらいたいと思う。

 

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