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就職氷河期の問題は「経験値」の格差にある。政府に解決は無理。金しかない。

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政府が就職氷河期の人々を救済すると聞いて。

ちょっとだけ書きます。

 

就職氷河期の問題は「するべき経験を、するべき年齢にできなかった」悲惨な大人たちをたくさん産んでしまったことにあります。

 

たとえば就活で企業に入った正社員のAさんと、就職できなくて非正規社員だったBさんがいて、どちらも40歳だとしましょう。

 

Aさんは入社後に研修を受け、着実に仕事を覚え、着実に仕事をこなし、後輩のマネジメントも経験し、仕事のスケールも着々と大きくなってきています。40歳と言えば、重要な案件に関わることも多い主役の世代です。

 

一方Bさんは、非正規で入社して研修を受け、着実に仕事を覚え、着実に仕事をこなし、着実に仕事をこなし、着実に仕事をこなし、着実に仕事をこなし、着実に仕事をこなし、着実に仕事をこなし、、、そして今日も、着実に仕事をこなしている。

 

Bさんの成長は、たぶん2~3年で、よくても4~5年でカンストしており、その後はほぼ成長が横ばいです。

 

40歳ともなれば、右肩上がりに成長してきたAさんと、途中から成長が横ばいになったBさんでは驚くような格差がついてしまいます。当然、年収にもすごい格差があります。

 

政府が言っているのは、40歳になったBさんを3年間のプログラムで強化人間にして社会に送り出します。ということだと思うのですが、そりゃいくらなんでも無理でしょう。

 

また、成長機会を与えるにしても、それは簡単なことではありません。20歳そこそこの若手が失敗してもテヘペロで乗り切れるようなことであったとしても、40歳のオッサンが同じ失敗をやらかしたら大クレームになります。

「あ、この人は氷河期マークをつけてる人だから、親切にしてあげよう」なんていう、神様のようなお客様はいません。

 

すべきときに、すべき経験ができていなかった、というのは取り返すのが非常に難しいことなんです。選挙の当選回数を重視する政府の方ならわかるでしょうに。

 

解雇規制が緩和されれば~という意見も見かけましたが無駄でしょう。

ブラック企業の温床になるだけです。

 

氷河期世代が40代でオジサンだから問題なのではなく、30歳なら30歳なりの経験を企業は求めますし、24歳なら24歳なりの経験を企業は求めるものです。優良企業ほどそうです。 

 

企業が重視するのは、「自分たちのイメージする成長曲線に乗っているか」なんです。

その線上かさらに上を走っている人だけが何回でも転職OKなだけで、成長曲線以下の人は、何歳であっても転職NGです。

で、その成長曲線に乗れるかどうかの瀬戸際が、新卒の就職活動になります。

 

だから、1社目でブラック企業に入ってまともに教育を受けられないと人生が詰む、という事態が起こりえます。

 

いまどきの学生さんが呪文のように「成長できる環境…、成長できる環境…」と面談で唱えるのは、意識が高いからでもなんでもなく、成長しないとワンミスで即死する環境だから、もしものリスクに備えて経験を重視せざるをえないんです。

 

 

成長曲線からはずれた人をすぐさま成長曲線上に戻せるような救いの手は必要だし、政府にはそれはそれで頑張って欲しいのですが、18年以上前に心停止した死体にいまさら電気ショックを与えても誰も幸せにはならんでしょう。まぁ電気ショックを与える係の人は儲かるのかもしれませんが。。。

 

政府は、もういいかげん就職氷河期の人を働かせることを諦めるべきです。戦争のない国でも難民は生まれるのだと腹をくくるしかない。そこは僕たちも覚悟しなきゃいけないのだと思います。

 

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