「うたわれるもの斬」感想:無双できない無双ゲ―
「うたわれるもの斬」プレイしました。
本作は「うたわれるもの 偽りの仮面」のシナリオをもとにして無双系ゲーム風に仕立てたアクションゲームになります。
これが原作のSRPG。
僕は「うたわれるもの」シリーズは初期作品しか遊んだことがありません。
なので、作品のベースとなる世界観の理解はあるのですが、「うたわれるもの 偽りの仮面」のストーリー自体はまったく知らない状態でプレイしています。
- シナリオは原作を知らなくてもそこそこ理解できた
- 1日でクリアできちゃう、少なめのボリューム
- というか、ぜんぜん無双できない
- キャラクターのバランスは絶妙
- 結論:「俺強ぇー!」がやりたい人にはお勧めしません
シナリオは原作を知らなくてもそこそこ理解できた
アクションパートの合間に、ダイジェスト的にシナリオ語りが入ります。
原作を知っている人からすると、おいおい端折りすぎだろ…、となると思うのですが、アクションを楽しむための最低限のシナリオ理解、という意味では過不足なかったように感じます。
物語ラストでは、ちゃんと状況も理解できましたし、なんなら結末は途中の段階で予想できていました。
たぶんこうなるだろうな、というのが。
思っていた以上に良いシナリオだったので、SRPGの方をさきにプレイしておくべきだったと後悔したくらいです…。
本作には、中間の折り返し地点までのシナリオしか収録されていないので、時間があればSRPGの原作のほうをプレイしてみても良いかも、と思いました。
1日でクリアできちゃう、少なめのボリューム
原作の「うたわれるもの 偽りの仮面」は二部作となっていて、「うたわれるもの 二人の白皇」という続編があるんですね。
ところが、本作には「うたわれるもの 二人の白皇」部分のシナリオもキャラクターも収録されていませんでした。
物語が途中で終わってしまうんです。
(いちおう一区切りついたところまで話は進みますが…)
そして、本編の主要ステージは全部で13個のみ。
任務を請け負うミッションモード(25ステージ)。
主要ステージを再度遊べるフリーモード(13ステージ)。
難易度「難しい」の開放。
これらを加えると、かなりのボリュームにはなりますが、マップも敵も使いまわしなので、あくまでもやり込むためのオマケという感じ。
本編ステージを楽しみたい人にとっては、ボリューム不足感は否めません。
キャラメイクのやりこみ度も低めです。
レベルUPのほかは、BPを貯めてステータス強化するくらい。
あと装備要素がちょろちょろ。
良く言えばシンプルなゲームシステムなので、僕のように集中的に遊んで「1日でクリアできたら、それはそれでOK。さて次のゲームを…」と考える人なら、全然ありな作品だと思います。
ただ、スルメのようにしゃぶり尽くしたいタイプの人には物足りない作品に感じられるかも。
似たジャンルなら、ドラクエの無双ゲームの方がだらだらと長く遊べる要素は豊富でした。
ただ、本作は正確に言うと無双系のゲームとは一線を画しています。
見た目は似ていますが、求められる戦い方やキャラの挙動がまったく異なります。
というか、ぜんぜん無双できない
なんと、このゲームぜんぜん無双できませんwww
雑魚相手には無双できても、それ以上のランクの防御の高い敵もたくさん登場するため、仲間と一緒に連携してタコ殴りにしないと倒すのがしんどいゲームバランスになっています。
まず攻撃をたくさんヒットさせて敵のガードをブレイクさせて、そこに強力な一撃を叩き込むという戦い方が基本になります。
あと、敵のガードが固いため叩いても全然ひるまないです。
ガードがブレイクするまでは、こちらがタコ殴っていても普通に反撃してくるので、けっこうダメージを食らいます。
何ならボスの場合は、ガードがブレイクしてても反撃してきます。
その代わりと言っては何ですが、ダメージを受けやすいぶん回復技が充実しています。
チーム全体を見渡しながら操作キャラを切り替えて、上手に立ち回ることが求められます。
あと、本作では仲間が一人でもやられたらゲームオーバーです。
戦闘不能になって30秒経過するとアウトです。
味方がやられたら近づいて回復させる必要があります。
30秒過ぎても、3回までは自動で復活してくれますが、それ以降はゲームオーバーになってしまいます。なかなかシビアです。
最大4名パーティで戦闘に参加している中、ボス戦だと味方が一気に2~3人やられてしまうこともあって、回復で右往左往するようなことも多かったです。
終盤のボスは攻撃力が桁外れに高くて、苦戦しました。
難易度は一般的な無双系ゲームよりも高く感じましたが、そのぶん歯ごたえはありましたね。
↓雰囲気が伝わればと思って撮影してみました。
えらく劣勢ですが、こういうのでも頑張れば倒せたりするから面白い。
#PS4sharehttps://t.co/FmubE8yZ5E pic.twitter.com/ARkIeB2Toi
— PS4用アカウント (@PS4_photo_a) September 29, 2018
キャラクターのバランスは絶妙
このゲーム、操作キャラクターの能力バランスが絶妙でした。
遠距離・近距離、
攻撃重視・防御重視、
攻撃技・回復技、
挙動の速い・遅い、
コンボ数の多い・少ない、
単体攻撃・範囲攻撃など、
これらの指標ですべて満点をとれるキャラはおらず、どのキャラクターも一長一短の性能をもっていました。
たとえば双子姉妹のウルゥル・サラァナは超攻撃力を持つが、動作は早くなく気力が貯まりにくいので技は連発できない、といった具合です。
しいて言うなら主人公のハクが、全体的に高レベルでまとまっていましたが、そのくらいです。
死にキャラがいないのは、原作ありきのファンゲームとしては嬉しい要素だと思います。
結論:「俺強ぇー!」がやりたい人にはお勧めしません
無双ゲームのように、頭空っぽにして「俺強ぇー」を味わいたい場合は、お勧めできません。
独自のアクションゲームだと思っておいたほうが楽しめます。
1度全滅させられても、パーティ編成を工夫したり、装備を付け替えたり、立ち回りを工夫したりして、強敵をやり込められると気持ち良いです。
一応、操作に慣れてくると敵の呼吸が分かってくるので、だんだん無双っぽく立ち回れるようにはなりますよ。※ただしボスは除く
*
ひさびさに、「うたわれるもの」の世界観に触れて、やっぱりこのシリーズいいなぁ好きだなぁと思いました。
テンプレっぽい見た目と性格のキャラクターばかりなので、一見すると凡庸な作品にも見えるのですが、王道のシナリオが読ませますね。
ぜひSRPGの原作もプレイしたいけど、何せ初期作品を遊んだのが15年以上前のため記憶がおぼろげ。
まずは初期作品のおさらいからだなぁ…。
全部でSRPG3本ぶん。できるだろうか…。