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「イース8」感想|シリーズものだからと敬遠するのはもったいない名作

イースVIII -Lacrimosa of DANA- - Switch

ここ数週間、コツコツと攻略していました。クリアまでは60~70時間くらい。これだけ重厚長大なRPGは久しぶりでしたが、買って良かったです。

 

むしろ「イース8」というナンバリングタイトルが故に、損してるかもしれない作品。イースシリーズは今回初めてプレイしましたが、1~7を知らなくてもまったく問題なく楽しめました。

物語の導入(あらすじ)

主人公のアドルが乗船する船が、海上でモンスターに襲撃され、乗っていた人々が海に放り出されます。乗船していた客や乗組員たちは、からくも近くの無人島に散り散りに漂着します。

アドルたちは、拠点となる基地(作中では村と呼んでいますが)を立ち上げて、徐々に仲間を増やして脱出のための準備を進めることに。そして、無人島への漂着と時を同じくして、アドルはとある少女の出てくる夢を繰り返し見るようになるのですが…。

 

こんな導入です。

物語の感想についてはネタバレになってしまうので記事の一番下に書いています。

 

軽快で爽快なアクションRPG

まずは物語の内容はさておき、アクションRPG的なところやゲーム性についての感想から。

 

オープンワールドチックな世界観

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MAP上での動き方は、オープンワールド系のゲームみたいな感じですね。

眼前に広がるのは、どこまででも駆けていけそうな広大なマップです。

 

ただ、一般的なオープンワールドのゲームと違って無制限の自由があるわけではないです。行動範囲は巧妙に制限されています。フラグのコントロールがしっかりされていて、物語の進行とともに、行動範囲を広げていける仕組みです。その点はやっぱりRPGなのだなという感じ。

イース8を、オープンワールドのジャンルとして紹介しているまとめサイトなどもありましたが、個人的にはその分類には違和感があります。

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物語が進むと障害物を排除でき、探索範囲がひろがっていきます。

 

感覚的に操作でき、やり込みがいもあるアクション

操作感は軽快です。かなり俊敏にキャラクターを動かせます。物理法則を無視して動ける感じが、慣れ親しんだ日本のアクションゲームの操作感ですね。

※ジャンプ後に、空中で自由に軌道を変えたりできる。

 

  

カメラ位置が神の視点(見下ろした形)でプレイできるので、一般的な3Dアクションに比べると馴染みやすいと思います。三國無双など無双系のゲームがしいて言うなら操作感が近いかも。

 

戦闘は、初めて間もない頃は「けっこう難しいかも…」と怯みました。が、慣れてくると丁度よくなりました。 

敵の攻撃に合わせて、タイミングよくボタンを押したり回避行動をとることで、短時間の無敵状態(フラッシュガードやフラッシュムーブ)を発動できるゲームシステムになっており、それをある程度使いこなせると世界が変わる、という感じです。

 

  

タイミングさえ合えば、ノーコストで連発できますが、そのぶんタイミングはシビアです(適当にボタン連打していれば発動するかと言えば、そんなことはない)

 

序盤はフラッシュガードやムーブを使いこなせなくても、ゴリ押しできる難易度になっており、中盤も回復材でそれなりにゴリ押し可能。中盤以降くらいから、狙って発動できないとキツイ、、、そんな難易度でした。

 

キャラクターを自由自在に操作できるようになると、最初は速いと感じていた戦闘スピードがちょうど良く感じるようになります。敵の攻撃をタイミングよくガードして、無敵時間を使って大技を叩き込みます。ここまでが戦闘のルーチンで、慣れてくるとこれがめちゃくちゃ爽快で、中毒性があります。

 

僕の場合、RPGをプレイしていると、たいてい最後の方は、エンカウントがだるくなってくるのですが、本作は戦闘を一切面倒に感じませんでした。最後の最後まで戦うのが楽しかったです。キャラクターのレベルやスキルだけじゃなくて、プレイヤースキルも同時に磨かれていくのがやりがいになっていたと思います。

 

ストレスフリーなゲーム設計

いくつかポイントがあるのですが、まずはオープンワールド的なゲームでストレッサーになりがちな遠隔への移動。 これがちゃんとワープポイントが各所にあって移動が楽だったこと。

 

あと、無人島という舞台設定の性質上、回復材一つ手に入れるのにも、素材を集めて調合する必要があるのですが、楽に素材を入手できるポイントがきちんと設けられていたことも親切でしたね。

あつめた素材を下位素材、上位素材に交換できる仕組みも用意されていて、序盤に頑張って収集した素材が、最後まで無駄にならないようになっていたのも細かいところなんですが優しいなぁと。

 

で、いちばん驚いたのが、攻略サイトに頼らなくてもほぼほぼコンプに近い状態まで遊べたことですね。この手のゲームって、知っていないと絶対気づかないような仕掛けがあえて用意されていたりするのですが、そういうことはほとんどなかったです。

イベントポイントもMAP上で可視化されているので、取りこぼしが起こりにくい親切設計になっていました。

長時間のプレイにも関わらず最後まで快適に遊びきれたのは、細かい点まで配慮が行き届いているバランス調整のおかげなのだろうなぁと思います。

 

↓ Amazonリンク以降ネタバレ感想です。

 

テイルズシリーズやスターオーシャン、聖剣伝説などのゲームが好きで、無双系のゲームも好きで、という人なら、まずプレイして後悔しないと思いますので、迷っている方はぜひ!

イースVIII -Lacrimosa of DANA- - PS4

イースVIII -Lacrimosa of DANA- - PS4

  • 出版社/メーカー: 日本ファルコム
  • 発売日: 2017/05/25
  • メディア: Video Game
 
イースVIII -Lacrimosa of DANA- - Switch

イースVIII -Lacrimosa of DANA- - Switch

  • 出版社/メーカー: 日本一ソフトウェア
  • 発売日: 2018/06/28
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ネタバレあり感想

ネタバレ宣言したのでさっそく書きますが、何といっても、序盤はアドルの夢が意味深でしたよね。

最初は、島の北部に街があって、ダーナはそこにいるものだと思わされてしまっていたので、街が廃墟だったときには驚いてしまいました。

よく考えたら服装が確かに古代っぽいので、あぁそうかという感じなんですが…(汗)

夢を通じて、アドルとダーナが意思疎通していく過程は、「君の名は」みたいだな、とどうでもいいことを思ったりもしました。

 

で、今度はダーナの存在は過去のものなのであると認識したところに、遺跡で眠る本物のダーナが登場して、また驚いてしまうんですね。え、なんで?過去のお話じゃなかったの?と。

 

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過去の世界をちゃんとRPGとして追体験できるのが良かったです。アドルの夢としてテキストベースで処理されていたら、ここまでダーナに感情移入できなかったろうと思います。

ネタバレついでに書くと、過去のダーナのグラティカとルミナスへのスタイルチェンジは最高に楽しかったです(PS4とスイッチ版で追加された要素らしいです)。これのせいで過去編の戦闘が楽しすぎて、しばらく現実に戻ってこれなくなったほど。

 

過去編のシナリオでも上手いこと、騙されてしまいました。

サライ=王女までは想像できたのですが、ウーラまでは初見で見抜けず。どこのタイミングかは忘れましたが、2回目か3回目に黒ずくめの格好で出てきたタイミングで、「もしかして…」と思い当ってからは、答え合わせがしたくてしたくてたまらず、この辺りからコツコツ遊んでいたプレイスタイルが崩壊して、休日返上でクリアまで一気に駆け抜けてしまいました。

 

個人的には、今回のような超越者的なRPGのラスボスにはあまり興味が持てません。いつもの僕のパターンだと、ウーラが素顔をさらしたあたりで熱が冷めても不思議ではなかったのですが、ラクリモサの結末を見届けたい一心で、最後まで熱が冷めることなく遊べました。

大樹のボス撃破後に裏ボスと戦うところも、戦闘自体はもはや消化試合なんですが、ダーナと再開することがモチベーションになって、投げ出すどころか、前のめりで戦っていました。

 

しいて言うなら、エピローグの島からの脱出のところでダレてしまったかもしれません。

ダーナとの約束を果たした時点で、僕の中では冒険が終わってしまっていて、当初の大目的であった脱出なんてどうでも良くなっていましたw それだけ素敵なシナリオだったということなのでしょうね。

 

さいごに

アクションそのものが面白い上に、それをドライブさせてくれるシナリオの奥深さが相乗効果になっていたと感じます。アクションRPGって良いジャンルだな、と改めて感じさせてくれる作品でした。

 

 ちなみに僕の操作キャラの変遷は、大まかには、アドル⇒ラクシャ⇒サハド⇒ヒュンメル⇒リコッタ⇒ダーナ&アドルという感じ。

それぞれ個性があるので、操作キャラを変えるだけで戦闘が新鮮になります。最後まで戦闘に飽きなかったのは、色んなキャラを使いこなす楽しみがあったのも影響していると思います。


クリア後に、もういちど最初からプレイしたとき、僕は最早そんな演出があったことすら忘れていましたが、冒頭で、アドルがダーナについて自著に記した言葉が引用されていました。あぁすでにこんなところにも伏線はあったのだなと感慨深かったです。

 

最後にアドルが記した言葉を引用して終わります。

――我々は神の道具ではない。

生きている、意思のある存在なのだ。

それでも人知を超えた運命を

否定できない瞬間は訪れる。

そんな時、君はどう振舞うだろうか?

極限に身を置いて尚、

意思と誇りを抱き続ける姿は美しい。

私はそのような存在になりたいと願ったし、

数十年を経た今となっても、

“彼女”に畏敬の念を禁じ得ないのである。

アドル・クリスティン著

『ゲーテ海案内記』序文より

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